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親会社をかえるという鹿島の大勝負。
メルカリから来た新社長が語った事。 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byNoriko Terano

posted2019/09/04 11:50

親会社をかえるという鹿島の大勝負。メルカリから来た新社長が語った事。<Number Web> photograph by Noriko Terano

鹿島アントラーズの社長に就任した、メルカリの小泉文明社長。「鹿島アントラーズに足せるものがある」という。

「ハンコが7つも必要」だった意思決定。

 経営自体は自立できるようになったとはいえ、筆頭株主の決裁がなければならない事案は多い。それを得るには「ハンコが7つも必要になることもあった」と鹿島関係者は語る。そのタイムロスによって、チャンスを見送ることも。

 監督交代をはじめ、想定外の出来事が生じるのもプロクラブ経営では日常茶飯事だが、その対応の支障となる事態もあった。

 Jリーグの賞金配分などがより競争に変わるなかで、「このままではクラブとしてのアイデンティティーを揺るがす事態になりかねない」という危機感がクラブを覆っていた。

 鹿島アントラーズがなぜ人気や収益を維持できるか。それは「勝ち続けてきた」という歴史に支えられたからである。勝てなくなればクラブの存在価値は無くなり、存続すら危うくなる。だからこそ、決断しなければならなかった。

「親会社をかえる」

 そんな発想が芽生えたのが2016年ころだったという。

スポンサーからパートナーへ。

 そして2017年にメルカリは鹿島のスポンサーになり、鹿島が経営権譲渡先探しをしていると知ると、真っ先に手を上げた。

「スポンサーという立場でありながらも、私もアントラーズファンですので、何度もスタジアムに通いながら試合を見るなかで、チームの方と意見交換をしてきました。

 テクノロジーを使って、私たちがいかにアントラーズにとって新しい価値をつけられるか。そこを理解していただくことが重要です。そういう会話のなかで双方にとって大きなメリットを感じるようになり、今に至ります」と小泉社長が語る。

 彼の構想のひとつには、いわゆる企業名をユニフォームや看板として「告知」する以外のメリットをスポンサーに感じてほしいというものがある。

「スポンサーシップについても、一緒に事業をするようなパートナーシップへと変えていくことで、いわゆる企業名を露出する以外の付加価値を提案できるし、そういう新しいビジネスを作るようなモデルを作っていく必要があると思っています」

 クラブとスポンサー企業が、そしてスポンサー企業同士がアライアンス化し、クラブが大切にしてきた「ファミリー」というつながりの文化を生み出すような未来が来るかもしれない。

【次ページ】 そもそもジーコ招聘が「大勝負」だった。

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