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格上の日本がベストメンバーを招集。
森保監督の人選を支える2つの理由。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2019/09/03 11:30
今回の久保建英招集は完全に「日本代表のベストメンバー」としてである。長いワールドカップ予選が始まる。
23人がプレーする場所はなんと11カ国。
森保監督はベテランや経験豊富な選手に対してはローテーションの配慮がありましたが、むしろ若手に対しては堂安への対応を見ても代表活動のなかでも芽を伸ばそうとしています。
日本代表の自覚、代表の宿命。そういったものを継続して呼ぶことで植えつけていこうとしている。日本代表と所属チームとの両立ができていけば、久保も堂安と同じサイクルに入ることになると筆者は理解しています。
また、ここでベストメンバーを組んだもう1つの狙いとして、これから先の戦いにおける“模擬実験”にしたいとの思いもあるように感じます。
招集メンバーの所属を国で分けると日本4人、ドイツ、ベルギー、ポルトガル各3人、スペイン、オランダ、フランス各2人、イタリア、トルコ、イングランド、オーストリア各1人。何と11カ国にも及びます。それぞれコンディションにバラつきがある彼らが一堂に会し、1戦を挟んでアウェーに出てどれほどの試合ができるのか。
コンディション調整においてワールドカップ予選一発目の試合の貴重なデータを踏まえ、うまくいかなかったところを改善していきながら最終予選につなげていく。その意味でも最初にベストメンバーを組んでおきたかったのではないでしょうか。
五輪のためにAマッチを使うことも?
今回、東京五輪世代のU-22代表も北中米遠征を行ないます。この世代の海外組は前田大然、安部裕葵ら今夏、一気に増えました。アンダー世代の代表は強化試合に招集の強制力は働かないため、森保監督はこれから先、彼らをA代表の国際Aマッチに招集していくことも考えているはずです。
A代表、五輪代表とセットで強化するパターン。ベストメンバーで2次予選をずっと戦うということはないでしょう。逆に2次予選の突破が決まれば、東京五輪世代中心のメンバー構成で「消化試合」に臨むことも考えられます。そのためにもミャンマーとのアウェーマッチではしっかりと勝ち点3を積み上げる必要があります。