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格上の日本がベストメンバーを招集。
森保監督の人選を支える2つの理由。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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posted2019/09/03 11:30

格上の日本がベストメンバーを招集。森保監督の人選を支える2つの理由。<Number Web> photograph by Getty Images

今回の久保建英招集は完全に「日本代表のベストメンバー」としてである。長いワールドカップ予選が始まる。

久保や堂安の見送り案もあったはず。

 気を緩めてはいけないのは確かです。ただ、日本が格上であるのは明らかで、無理を強いるところでもありません。

 今夏、欧州への移籍、または欧州内移籍に踏み切った選手が、シュミット・ダニエル、安西幸輝、冨安健洋、柴崎岳、遠藤航、中島翔哉、堂安律、久保建英と23人中8人もいます。欧州のシーズンは開幕したばかりで特に堂安、久保は移籍して間もありません。

 チームに馴染む重要な時間と考えれば堂安や久保のみならず、移籍した選手の見送りについてはおそらく検討したはずです。所属するチームでしっかりと試合に出ることが、何よりの強化になるからです。ミャンマーの気候を考えれば、真夏の日本で戦っている国内組を増やす手段もあったはずですから。

 しかし森保監督はベストメンバーに踏み切りました。その意味を考えたいと思います。なぜなら目の前の事象だけを考えて、チームづくりを進めていく人ではないからです。

久保はすでに「お客さん」ではない。

 2次予選の初戦を、新しいスタートと位置づけている感があります。キャプテンの吉田麻也の招集はアジアカップ以来となります。6月の親善試合で活躍した永井謙佑、橋本拳人、そしてコパ・アメリカでA代表でも十分通用すると証明した久保、板倉滉が引き続き選ばれました。

 中間発表としてここでベストメンバーを集めることが、彼らに評価を示すことになると言えます。日本代表への帰属意識を強め、そしてまたワールドカップ予選に対する覚悟を求めることになります。

 つまり久保に対しても、もう「お客さん扱い」ではないということです。18歳への配慮よりも、1人の日本代表として所属チームと代表の両立を求めていってほしいというメッセージでもあると感じます。

【次ページ】 23人がプレーする場所はなんと11カ国。

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