サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
11カ月ぶりカルテットと久保建英。
W杯予選へ向けて理想的な2-0勝利。
posted2019/09/06 12:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Takuya Sugiyama
9月5日に行われたパラグアイ戦の意味は、5日後のミャンマー戦後にはっきりするだろう。
先のコパ・アメリカでベスト8入りし、準々決勝で優勝したブラジルを苦しめたパラグアイは、コンディションにはっきりとした問題を抱えていた。試合後のエドゥアルド・ベリッソ監督も、「言い訳にはしたくないが、長距離移動の疲労の影響はあった。フィジカル的な疲労によって、高いリズムを維持できなかった」と明かしている。
ならば、W杯2次予選への単なるスパーリングだったのか。
否、そうではない。
日本にとっては貴重なチューニングアップの機会だった。
DFラインは7カ月、前線は11カ月ぶり。
キャプテンの吉田麻也は、今冬のアジアカップを最後にピッチに立っていなかった。4-2-3-1の4バックが長友佑都、冨安健洋、酒井宏樹との4人で形成されるのは、2月1日のカタールとの決勝戦以来である。
攻撃のカルテットがスタメンに揃う試合となると、さらに時計を巻き戻さなければならない。堂安律、南野拓実、中島翔哉が2列目に並び、大迫勇也が1トップに入るのは、昨年11月のベネズエラ戦以来だった。
東京五輪世代を中心に戦ったコパ・アメリカを除けば、そもそも6月9日のエルサルバドル戦以来のゲームである。敵地ヤンゴンでミャンマーと対戦するW杯2次予選を前に、このタイミングでチームのコンセプトを再確認しておくことが、今回の試合のメインテーマだった。
はからずもパラグアイという対戦相手は、ミャンマー戦を念頭に置いたものとなった。
疲労感を引きずる彼らは、現実的な戦いを強いられた。「もっと前からプレスをかけたかったが、引いて守らざるを得なかった」と、ベリッソ監督は振り返る。自陣ゴール前で日本の攻撃を跳ね返す戦略は、ミャンマーの狙いに共通するものがあるはずだ。この試合の崩しのイメージは、5日後にも応用できる。