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ウルグアイ相手に耐え切った森保J。
幸運に恵まれたことを恥じず、次へ。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2019/06/21 15:30
2ゴールを挙げ、スタメン起用に応えた三好康児。岡崎慎司らとのコンビネーションも上々だった。
3点目を許さなかった日本。
この試合のハイライトはここからである。
ビハインドを背負ったウルグアイが、理性ではなく野性でゴールへ迫ってくる。日本は自陣に押しとどめられる時間が続く。66分、相手の左CKからホセ・ヒメネスにヘディングシュートを喫してしまう。後半だけで2度のピンチを防いでいた川島にも、ノーチャンスの一撃だった。
ウルグアイから2度もリードを奪いながら、そのたびに追いつかれてしまう。心身ともに疲労が蓄積していくここからの時間帯は、チリ戦と違う種類の難しさがあったはずである。
だが、日本は耐え切った。3点目をつかむことはできなかったが、3失点目は許さなかった。80分にスアレスのヘディングシュートがバーを叩いたが、立場を入れ替えればウルグアイが決められなかったということである。幸運に恵まれたことを恥じなくてもいい。森保一監督が終盤の攻防について、「選手たちはよく踏ん張ってくれた」と話したのも納得である。
見え始めた芯、五輪世代も積極性。
チリ戦に続いて植田と柴崎が先発し、川島と岡崎もスタートからピッチに立ったことで、センターラインに太い芯が通った。2列目左サイドで出場した中島翔哉も、第1戦に比べれば守備面での貢献度を上げている。ドリブルの仕掛けでボールを失う場面もあったが、ミスを恐れずにトライし続けるのが彼の強みでもある。
同時に、東京五輪世代の選手たちが経験者に寄りかからなかった。ミスをしたあとも積極性を失わなかった。ウルグアイが決定機を生かしきれなかったところはあるものの、勝点1は試合内容とかけ離れてはいない。敵将タバレスは「この結果は期待していたものではなかった」と話したものの、日本のパフォーマンスに手を焼いたことは認めている。
とはいえ、日本はまだ何も手にしていない。24日に控えるエクアドル戦で勝点をつかみ、決勝トーナメント進出を果たすことで、ウルグアイとのドローゲームは真の価値を持つ。