サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ウルグアイ相手に耐え切った森保J。
幸運に恵まれたことを恥じず、次へ。
posted2019/06/21 15:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
こんな試合が見たかったのだ。
6月20日に行われたコパ・アメリカのグループリーグ第2戦で、日本はウルグアイと2-2で引き分けた。苦しみ抜いた末のドローゲームではない。世界のトップ・オブ・トップのチームと真正面からぶつかり合い、勝点1を獲得したのである。
初戦が思いどおりにいかなかったチームは、2試合目に反発力を見せることがある。
たとえば、2005年のコンフェデレーションズカップである。ジーコ率いる日本代表はグループリーグ第1戦でメキシコに逆転負けを喫したものの、ギリシャとの第2戦で1-0の勝利をつかみ、ブラジルとの第3戦に望みをつなげた。
たとえば、2013年のコンフェデレーションズカップである。アルベルト・ザッケローニが指揮した日本代表は、開催国ブラジルと初戦で激突し、アウェイの雰囲気に呑み込まれて無抵抗のまま0-3で敗れた。不甲斐ない戦いに奮い立ったチームは、イタリアとの第2戦でスリリングな撃ち合いを演じた。
川島の正面を突いたスアレスのシュート。
ポルトアレグレのアレーナ・ド・グレミオは、ウルグアイから駆けつけたサポーターが圧倒的優勢を占めていた。3万3000人を超える観衆のほとんどすべては、日本が打ちひしがれることを望んでいる。チリと戦ったエスタジオ・ド・モルンビーとは異なり、ピッチとスタンドが近いので圧迫感もケタ違いだ。紛れもないアウェイである。
試合の流れを決定づけたのは12分のプレーだった。
CKからのカウンターで左サイドを突かれ、エディンソン・カバーニのクロスがゴール前のルイス・スアレスに渡る。ペナルティエリア内には日本の選手が帰陣していたが、相手の背番号9はフリーなのだ。
ここで失点をしていたら、日本の選手たちはいきなり追い詰められたに違いない。しかし、スアレスのヘディングシュートはGK川島永嗣の正面を突く。
危機は、去った。