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高2の佐々木朗希の速球とフォーク。
監督にも恵まれた“運”が嬉しい。

posted2019/05/29 07:00

 
高2の佐々木朗希の速球とフォーク。監督にも恵まれた“運”が嬉しい。<Number Web> photograph by IWATE NIPPO/Kyodo News

2018年7月10日、岩手大会2回戦の盛岡三戦で最速154キロを記録した佐々木朗希。冬を越えて、注目度が急上昇した。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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IWATE NIPPO/Kyodo News

 今春のセンバツ大会準々決勝が行われた3月31日。多くの速球派ピッチャーが甲子園の大観衆を沸かせていた。

 習志野の飯塚脩人(3年)が145キロ、明豊の大畑蓮(3年)が143キロ、寺迫涼生(3年)が142キロ、東邦の石川昂弥(3年)が142キロ、智弁和歌山の小林樹斗(2年)が147キロ、明石商の中森俊介(2年)が146キロを計測。

 同じ日、佐々木朗希(大船渡)は栃木県の矢板運動公園野球場のマウンドに立っていた。強豪・作新学院相手に3回を投げ、被安打1、奪三振6に抑え、計測されたストレートの最速は156キロ。

 この練習試合の投球に対して長谷川国利・巨人スカウト部長は「ストレートのキレは今プロに入っても3本の指に入る」とスポーツ紙にコメント。他のスカウトの口からも「ポテンシャルでは松坂大輔以上」「大谷翔平と肩を並べる素材」……等々、称賛する声が続いた。

 この記事を見たとき、自分が甲子園球場にいることが理不尽なことのように思えて仕方なかった。

 それから6日後の4月6日、近畿大学のグラウンドで行われたU-18日本代表候補合宿の紅白戦で、佐々木のストレートは花巻東時代の大谷翔平をしのぐ、最速163キロを計測。このときから佐々木は高校野球の枠を超えて一般のニュースでも取り上げられる“怪物”となった。

2018年夏の佐々木朗希。

 私が初めて佐々木を見たのは2018年夏の岩手大会2回戦の盛岡三戦だ。フレッシュオールスターゲームが青森県弘前市のはるか夢球場で行われていたため、その流れで佐々木を観戦できれば、と思った。

 当初、7月8日に2回戦の盛岡三戦、11日に3回戦を見てから12日に青森に向かう計画を立てたが、雨天中止が重なり10日に行われた盛岡三戦しか見られなかった。付け加えると、盛岡三は春の岩手県大会で準決勝に進出している強豪校で、当時の格付けでは大船渡より上である。この試合で佐々木は次のようなピッチングを展開した。

 9回を投げて球数142、被安打4、奪三振11で失点はわずかに2。142球のうちストレートは102球あり、150キロ以上が35球、最速は154キロ、平均球速は147.5キロだった。

 この速さは、私は高校野球界で見たことがない。

【次ページ】 試合でフォークを初めて投げた日。

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