“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
高2の佐々木朗希の速球とフォーク。
監督にも恵まれた“運”が嬉しい。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byIWATE NIPPO/Kyodo News
posted2019/05/29 07:00
2018年7月10日、岩手大会2回戦の盛岡三戦で最速154キロを記録した佐々木朗希。冬を越えて、注目度が急上昇した。
チーム作りに見える國保監督の意志。
あれから1年が経過してどうなったかというと、私が危惧した“佐々木の酷使”は杞憂に終わりそうだ。それどころか國保監督は佐々木の肩・ヒジの状態に非常に神経を配っている。
'18年夏の岩手大会では3回戦(7月14日)の西和賀戦に登板させず敗退、今年になってからも春の岩手県大会初戦の釜石戦に登板させず、チームは敗退している。佐々木のワンマンチームではないという強い意思表示が感じられるし、チーム力が依然として高まっていない現状もよくわかる。
岩手県の高野連による今センバツの21世紀枠の推薦を國保監督が辞退していたという話も伝わっている。
「4月中旬に骨密度を調べてもらったら、まだまだ大人の骨ではないと。球速に関する期待はあるんですけど、耐えられる骨、筋肉、関節、じん帯ではない。本人も理解してこういう投球が出来てよかった」
「スピードに耐えられる体じゃない。(代表候補合宿は)周りのレベルも高くて、(163キロが)出てしまった」
そんなコメントがスポーツ紙に掲載されていた。
指導者に巡り合うこと。
國保監督の経歴をインターネットで調べていたら、筑波大卒業後にアメリカの独立リーグでプレーする動画が出てきて驚いた(右打ちの野手としてプレー)。目の前の勝利に汲々とせず、プレーヤーの技術上達に熱心で、故障の予防にも尋常でないくらい神経をとがらせている。こういう指導者に巡り合うことができた佐々木は幸せ者である。
今年の岩手大会は7月11日が開幕予定である。1、2試合佐々木が投げる試合を見る。
もし甲子園大会に出場すれば、もちろんそれも見る。
甲子園のあと韓国で行われるU-18W杯の日本代表に選出されたら、それも見に行く予定だ。ホテルはすでに予約している。
もう私は、佐々木朗希と國保陽平監督から目が離せない。