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西村が、富樫が体現した「進化」。
千葉ジェッツが2年越しのリベンジへ!
posted2019/05/10 11:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
B.LEAGUE
Bリーグで“最も粘り強く戦うチーム”に勝ったことが、千葉ジェッツの進化を物語っていた。
5月4日と5日に行なわれた「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」のセミファイナル。ジェッツはホームの船橋アリーナに栃木ブレックスを迎えた。
今季のジェッツは同じ地区にいる宿敵ブレックスをおさえ、Bリーグ史上最高勝率(52勝8敗)で東地区の優勝を果たしている。
しかし、ライバルとのリーグ戦での直接対戦の成績は3勝3敗の五分。1月の天皇杯の決勝でもブレックスを下しているとはいえ、延長戦にもつれこんだ末の勝利だった。両チームの差はほとんどない。
むしろ、ライバルのブレックスは、天皇杯のあとに日本代表のエース比江島慎が加入。さらに1月の時点では怪我で戦列を離れていた田臥勇太や喜多川修平が復帰していた。レギュラーシーズンの成績は、チャンピオンシップ(CS)準決勝を戦う上で自信を与えてくれるようなものでは決してなかったといえるだろう。
栃木を上回ったリバウンド数。
ブレックスの強みは、リーグトップのリバウンド数に代表されるようなボールへの執着心だ。泥臭く、チームのためを思って、どんな状況でもボールを追いかける。決してあきらめることはない。ブレックスのエースであるライアン・ロシターが怪我のためにGAME2を欠場したとはいえ、そんな強敵を相手に、ジェッツは2連勝をおさめファイナル進出を決めた。
特筆すべきは、これまでブレックスが上回ることの多かったリバウンド数で、GAME1(75-67で勝利)では10本上回る49本、GAME2(88-83)では13本も上回る43本を記録したことだ。
「ディフェンスと、ボールへの執着が、今シーズンで1番良かったからだと思います。普段からそういうことが出来ていないわけではないのですが、他のどのチームよりもそこに執着する栃木さんを相手にすると、いつもはそこで負けていた。この2日間はそういう意味でうちのほうが良いメンタルで臨めたからなのかなと思います」
勝因をそう振り返ったのは、ジェッツPGの西村文男だった。