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西村が、富樫が体現した「進化」。
千葉ジェッツが2年越しのリベンジへ!
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2019/05/10 11:30
栃木ブレックスとのセミファイナルGAME2では21得点8アシスト。CSに入りさらに調子を上げている千葉ジェッツ・富樫勇樹(中央)。
ブレックス戦勝利の意味。
この試合の勝利にはたぶん、2つの意味がある。
1つは、2連敗で敗れた2年前のCSの借りを、完全なかたちで返したということ。今季レギュラーシーズンで同地区のブレックスを押さえ全体1位の勝率を記録した上で、CSでも2連勝しファイナルへの切符をつかんだ。何よりもまずこの結果が、チームには自信をもたらす。
そしてもう1つが、最後まで決してあきらめないブレックスというチームに、リードを奪われる時間帯があっても我慢強く戦い、同じあきらめない気持ちを示して勝ったこと。
昨シーズンのジェッツはファイナルでアルバルク東京相手に25点差の大差で敗れている。これは昨シーズンのジェッツの敗れた試合のなかで、もっとも大きな点差をつけられた試合だった。さまざまな要因が重なり、シーズンの最後の試合の途中であきらめたような姿勢を見せてしまった。
その悔しさと後悔から、彼らの今シーズンは始まっている。ファイナルへむけて、自分たちがどんなに苦しい場面でもあきらめないチームになろうとするとき、あきらめないチームの象徴のようなブレックスに勝った経験は武器になる。
ファイナルはアルバルク東京。
5月11日、昨年と同じ横浜アリーナで行なわれるファイナルの相手は、これまた昨年と同じアルバルク東京に決まった。ジェッツというチームの真価を問うための舞台は整った。
昨シーズン、アルバルクの選手たちが喜びを爆発させた姿を目に焼き付けた富樫は、こう決意を語っている。
「昨シーズンも東地区で優勝して、『優勝候補』とは言われていましたけど、僕らは優勝経験もないし、決勝もいったことがなかったので、準優勝でも『よくやったね』という感じだったと思うんです。でも、今シーズンは優勝以外では、誰も良い成績で終わったとは言えないと思う。そこまでのチームになったという自信があるので、優勝を目指すというか……優勝しかないなと思います」