ビッグマッチ・インサイドBACK NUMBER
アヤックス&バルサ優位と“古巣対決”。
プレミア勢、逆転CL決勝の望みは?
text by
寺沢薫Kaoru Terasawa
photograph byGetty Images
posted2019/05/05 12:30
準決勝1stレグでリバプールと対戦したコウチーニョ。アンフィールドへの帰還で待つ結末やいかに?
リバプールは1点を失うと……。
リバプールにとっても、もちろんゴールは必須で、しかも最低3ゴールが必要だ。
ただ、ファーストレグの出来を見る限りでは攻撃の形を見失っているわけではなく、初戦はコンディション不良の影響でベンチスタートだったフィルミーノが先発に戻り、サラー、マネといつもの3トップで90分間走り続けることができれば得点を奪うことはそう難しい注文ではないように思える。
むしろ、セカンドレグで重要になってくるのは守備の方かもしれない。
カンプ・ノウでゴールを奪えなかったこともあり、リバプールはアンフィールドで、絶対にゴールを許してはならない状況に置かれている。無失点なら3ゴールで追いつけるが、1失点を許した時点で、アウェーゴールのルールにより勝ち越しが絶対条件となり、5ゴールが必要になってしまうからだ。
攻め気も大事だが、まずはバルサをゼロで抑えることが、彼らにとって最重要タスクになる。
スアレス&コウチーニョの帰還。
その点で、第1戦で2ゴールのメッシを黙らせなければいけないのはもちろんのことながら、彼にばかり気を取られていると強烈な“ひと刺し”を見舞ってきそうなのが、スアレスとコウチーニョの元リバプール・コンビだ。
実際、スアレスにはカンプ・ノウで一瞬の隙を突かれ、美しいワンタッチゴールを決められている。コウチーニョは古巣との第1戦こそ割と大人しかったが、その前のマンチェスター・ユナイテッド戦では名手ダビド・デヘアもノーチャンスだった綺麗なミドルシュートを叩き込んでいる。
スアレスとコウチーニョは、それぞれアンフィールドで大いに愛された選手だった。
リバプールで公式戦133試合82得点という驚異的な成績を残したスアレスは、(噛みつき事件で10試合出場停止という大事件もあったが)ピッチに立てば常に獣のごとくチームのために戦った。ゴールを奪うだけでなく、前線から獰猛にボールを追いかける姿を、サポーターは心から愛していた。