ビッグマッチ・インサイドBACK NUMBER
アヤックス&バルサ優位と“古巣対決”。
プレミア勢、逆転CL決勝の望みは?
text by
寺沢薫Kaoru Terasawa
photograph byGetty Images
posted2019/05/05 12:30
準決勝1stレグでリバプールと対戦したコウチーニョ。アンフィールドへの帰還で待つ結末やいかに?
リバプールにとってまさかの大敗。
一方で、昨季準優勝の悔しさを晴らすべく2年連続ファイナル進出を固く胸に誓ってバルサとの決戦に臨んだリバプールは、思いもよらぬ大敗を喫することになった。
正直、スコアほどの実力差があったようには見えなかった。
26分にルイス・スアレスに今季CL初ゴールを許して先手を取られたが、その後はリバプールが優勢に試合を進めていたし、実際、スタッツを見てもボール支配率、シュート数いずれもバルサを上回っていた。ユルゲン・クロップ監督も試合後には「今季のCLアウェーゲームでは最高の出来だった」とまで語っている。
35分にはジョーダン・ヘンダーソンのアーリークロスにサディオ・マネが飛び込んで惜しいチャンスを作ったし、後半も47分にジェイムズ・ミルナーが、53分にモハメド・サラーが、59分には再びミルナーがバルサのGKマルク・アンドレ・テア・シュテゲンを強襲するシュートを放っており、これらの決定機のうち1つでも決まっていれば、試合はどちらに転んでもおかしくなかった。
またプレミアリーグ最強のDFビルヒル・ファンダイクが仕切る守備陣はリオネル・メッシ、スアレス、フィリペ・コウチーニョの攻撃陣になんとか対応できていたし、ゲーゲンプレッシングのかかりも悪くなく、ボールもプレミアの試合ほどではないにせよ、バルサ相手と考えればよく奪えていたと思う。
流れをぶった切ったメッシ。
それでも、バルサには神がいた。
75分、メッシがワンプレーでリバプールの流れをぶった切ってしまったのだ。
リバプールのDFとMFのちょうど間、ぽっかり空いたスペースでセルヒオ・ブスケッツからパスを受けたメッシ。彼のスルーパスからスアレスのシュートがクロスバーを直撃し、こぼれ球が最後は導かれるようにメッシへと戻ってくる。難なくこれを決めて2-0とすると、82分には文句なしの完璧な直接FKをネットに叩き込んで3-0。
結局は有無を言わさぬ個の力で、バルセロナが試合の流れを無視したスコアの差を作ってしまった。
対するリバプールは、最後の最後、84分に訪れたアウェーゴールを手に入れるチャンスも、ロベルト・フィルミーノのシュートがDFにクリアされ、セカンドボールを狙ったサラーのシュートもポストを直撃。決定力不足に泣き、3点という大きなディスアドバンテージを背負って、アンフィールドへと帰ることになった。