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<日本人ストライカーの視点>
岡崎慎司が徹底解説。
「アグエロは“必殺仕事人”」
posted2019/05/06 15:00

text by

寺野典子Noriko Terano
photograph by
AFLO
プレミアリーグは僕がいつかプレーしてみたいと思い描いていたリーグだった。身体能力で劣る僕が、もっともプレーしづらいリーグだと思ったからだ。
夢が叶ってレスターへ移籍し、4シーズンが経った。映像でプレミアの試合を見るときも、「憧れ」というよりは、「対戦相手」という意識が強く、相手のFWよりもまずはDFから見る。プレミアのほとんどのチームは、強固で整理された戦術がなく、個対個の局面が多いが、それでも攻略するためのポイントはあると感じている。
そんな僕の立場から、マンチェスター・シティとリバプールについて話したい。
ユルゲン・クロップが監督に就任し、戦術的に安定感が生まれたリバプールは、CBのファンダイクの加入により、さらにそれが増した。ファンダイク、ヘンダーソン、フィルミーノの縦のラインがカギとなっている。ただし、中盤に安定感を欠くことがあるので、ここに守備的に優れた選手が加われば、もっと面白くなるだろう。
リバプールには「ムラ」がある。勢いに乗れば手におえない破壊力を持つけれど、すべての試合でそれを発揮できるとは限らない。だから、クロップのように選手の気持ちを高められる指揮官の存在は大きい。
そんなリバプールと比べて、シティは全くタイプの異なるチームだ。戦術が整備され、安定感を持つシティは攻撃の形も明確なので、それを抑えれば、ある程度止めることもできる。リバプールのような突然の爆発力もないが、パスの供給源やゴールゲッターが多く、とりわけエースストライカー、セルヒオ・アグエロの存在は大きい。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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