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<五輪ヒーローの成長譚>
北島康介「下町の少年がスターになるまで」
posted2019/05/07 08:00
text by
田坂友暁Tomoaki Tasaka
photograph by
Getty Images
ライバルとのつばぜり合い、世界記録との戦い。有言実行の魅力あふれる泳ぎで人々を惹きつけ、五輪によって競技の枠を越えた存在に成長した。本人と恩師の言葉で、栄光の足跡を振り返る。
北島康介は五輪の申し子だった。
泳ぎやメダルの色ばかりではない。「チョー気持ちいい」「なんもいえねぇ」という言葉でも人々を魅了し、水泳選手がプロとして生きる道も切り拓いた。競泳の枠に収まらない時代の寵児だった。
「僕はいわゆる“普通”の部分が非常に強い人間だと思っているんですよ」
平泳ぎで五輪史上初となる2大会連続の2冠という偉業。しかし、当時を振り返る北島は、自分自身について意外な見方を持っていた。