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殿堂入りの名伯楽・権藤博が説く、
「球数制限には大反対!」の根拠。

posted2019/03/28 17:05

 
殿堂入りの名伯楽・権藤博が説く、「球数制限には大反対!」の根拠。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

プロ入り5年でピッチャーを諦めざるを得なかった選手として……権藤博氏は今の球数問題に違う角度からの解決策を示した。

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鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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Takuya Sugiyama

 ピッチャーに関する現在の潮流として、アマチュア球界には「球数制限」の問題がある。
 新潟県高校野球連盟が春季大会から導入予定だった「1試合100球」の制限について、今年2月、日本高校野球連盟が再検討を申し入れたことで、この問題は全国的な議論となった。
 時代は確実に「制限」へと傾いているが権藤氏はここでも意外な持論を展開した。

権藤「これに関しては、私は大反対ですよ。大反対。それはプロとアマの違いなんです。

 プロは次の日も次の日も試合がある。自分の生活をかけてやっているから100球で降ろすというのはあるでしょう。ただ、アマは、ましてや高校野球はオラが町の代表として出ていって、一生に一度の舞台というつもりで出ていって、それで『はい100球、終わり』ではやりきれんでしょう。私だったら、絶対に嫌ですから」

 プロ1、2年目の登板過多によって、わずか5年という短い現役生活を余儀なくされた権藤だが、ことアマチュア、特に高校野球に関して、球数制限は必要ないと言い切った。

 自身も佐賀県立鳥栖高校で1956年の夏、甲子園を目指して登板し、佐賀大会の準決勝で佐賀商に惜敗した経験を持っている。

 ただ、「大反対」というのはあくまでも球数制限についてであり、「球児たちの将来を考えて」という、この議論の大前提には、大いに賛同している。

「問題は球数よりも投げ方」。そして……。

権藤「例えば、松坂(大輔)は40歳近くになっても投げているじゃないですか。あの甲子園で延長17回を投げて、次の日も投げて、決勝でノーヒットノーランをやってというものがなければ、今の松坂という投手は生まれていないかもしれない。

 田中(将大)、にしても、斎藤(佑樹)にしても、投げているじゃないですか。彼らは投げ方がいいから、あれだけ投げられるんです。投げ方の悪い投手というのはちょっと投げただけで壊れるし、正しい投げ方をしていれば、少々では故障しない。

 問題は球数よりも投げ方なんです。あとは日程でしょうね。球数制限の前に日程をなんとかせないかんでしょう」

【次ページ】 球数を制限する前に、日程を論じろ!

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