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名門部屋復活を牽引する朝乃山は
“本格派”の星。~小兵の活躍が目立つ
なかで、188cmの体格は武器になる~
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph byKyodo News
posted2017/09/08 07:00
新番付が発表された8月28日に記者会見を開いた朝乃山。スピード出世に「自分の中では上出来」と笑顔を見せた。
富山県から28年ぶりの新入幕力士が誕生した。高砂部屋の朝乃山英樹、近畿大学卒の23歳だ。昨年3月、新制度の三段目付け出し資格で東農大出身の豊山(時津風部屋)とともに初土俵を踏む。以来負け越しなしで着実に番付を上げてきた。先の7月場所で11勝し、十両優勝決定戦で敗れたものの、新入幕を手中に。今年5月、それまで高砂部屋の部屋頭だった元関脇朝赤龍の引退後、名門部屋を支える関取として、その期待は大きい。
139年もの長きにわたり、関取を輩出し続けた記録が、昨年11月場所後に途絶えた高砂部屋だった。朝赤龍が幕下陥落、十両復帰を狙っていた朝弁慶の白星が、わずかに届かなかったのだ。しかし翌1月場所で幕下優勝を決め、十両昇進を叶えたのが朝乃山だ。「名門部屋の新たな出発」を牽引する存在でもある。師匠の高砂親方はいう。