ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
同じ失敗をする代表にオシムが一言。
「もっと過去の失敗から学ばねば」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byImaginechina/AFLO
posted2019/01/21 13:45
これまでも幾度かカウンターでの失点を許している日本。同じ過ちを繰り返す余裕は、もうない。
「もっと過去の失敗から学ばねば」
「(ウズベキスタン戦では)若者たちが質の高い素晴らしいプレーをしているのを見た。ただ、残念ながら、ワールドカップのときのように、残念なゴールを奪われてしまっていた。
相手はひとりでカウンターを仕掛けてきていた。ベルギー戦のGKは対処を誤ったが、今日もひとりの選手にふたりのDFがうまく対処できずに失点を喫した。
もっと過去の失敗から学ばねばならない。
それが経験というもので、経験を生かして勝つ。過去の苦い経験、失敗した例を思い出してそこから学ぶ。
数人の選手が追いかけながら、たったひとりにやられてしまうのは普通ではない。
同じ過ちを繰り返すべきではない。
失敗から学ばないのはあまりに愚かだ。愚かな失点を喫して試合も失ってしまう……ということは、実によくあることだ。大会を通して、最終的にそれがもっと大きな勝負をわけることさえある。ほんの小さなミス、動きやポジショニングのミスが勝負を決めるわけだ。
選手が危険を察知していないのも問題だ。
1点ならまだ仕方がないが、同じように何点も取られ続けるようなら酷いとしか言いようがない。選手たちは眠っていたとしか考えられない。
これからの試合は相手がこれまでとは違う。素早く学んで修正しないと取り返しがつかなくなる。
ところであのGKはどこの出身なのか?」
――シュミット・ダニエルですか? 彼のプレーぶりも悪くないのでは?
「それほど安定していたわけではなかったと思うが。名前を見れば、どこの出身なのかが分かるものかと思ったのだが……」
――父親がアメリカ人で母親が日本人ですね。
「アメリカ人か。とにかく、国際化は悪くないことだ。
例えばグラーツでは、少なくともふたつの言葉を喋ることが求められる。ドイツ語とクロアチア語、セルビア語、アラビア語……。そうした言語の幾つかの単語でいいから覚える必要がある」