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「史上最悪のシーズンだったよ」大谷翔平が消えた“エンゼルスの今”…球団ワースト99敗、番記者に聞いた「ファンはオオタニにモヤモヤ」「スタジアムはガラガラ」

posted2024/10/25 17:26

 
「史上最悪のシーズンだったよ」大谷翔平が消えた“エンゼルスの今”…球団ワースト99敗、番記者に聞いた「ファンはオオタニにモヤモヤ」「スタジアムはガラガラ」<Number Web> photograph by Getty Images

球団ワースト記録の99敗を喫したエンゼルス。筆者は現地アナハイムを訪れた

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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大谷翔平が移籍した後、今季のエンゼルスは99敗を喫した。球団ワースト記録での最下位だ。そんな厳しい状況を番記者、そしてエンゼルスファンはどう見たのか。NumberWebの記者が現地アナハイムを訪ね、取材した「エンゼルスの今」。【全2回の前編/後編も公開中】

◆◆◆

 あまりに対照的だ。青と赤、常勝と弱小、ポストシーズンで戦うチームとシーズンが終わったチーム、大観衆が沸く球場と閑古鳥が鳴く球場。同じロサンゼルスをチーム名にもつ2つの球団の現状は、残酷なまでに明暗が分かれている。

 63勝99敗――。

 2024年シーズン、ア・リーグ西地区で最下位に沈んだエンゼルスの成績である。これで9年連続のシーズン負け越しとなり、勝率はじつに.389。99敗は球団ワースト記録であった。

 かたや、背番号の「17」はそのままドジャースへ旅立った大谷翔平は、皮肉なまでに飛躍を遂げた。メジャー史上初となる50-50を達成し、本塁打王と打点王に輝く。ムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンというMVP受賞者ら、スター選手がそろうチームにあっても異質な存在感を放っていた。メッツとのリーグ優勝決定シリーズでもそうだ。ドジャースタジアムで注がれる歓声がチームで随一なら、ファンが着るユニフォームで最も目にするのも「OHTANI」。移籍してわずか1年。今や誰の目にも疑いようのない「ドジャースのオオタニ」になった。

 そこで思う。ポストシーズンで勝ち抜けるドジャースを、昨年と変わらずに活躍する大谷を、エンゼルスファンはどんな心境で見つめているのか。なぜ大谷が去ったエンゼルスは99敗を喫したのだろうか。

「史上最悪のシーズンだった」「アナハイムはガラガラ」

 ドジャースとメッツ第2戦の試合前、ドジャースタジアムのメディア席で隣に座った米誌『スポーツ・イラストレイテッド』記者、ニック・セルベ氏(32歳)にインタビューすることができた。アナハイムにほど近い南カリフォルニアの都市、サイプレスで生まれ育ったニック記者は、地元球団の今シーズンを「史上最悪のシーズンだった」と振り返る。

「ファンは非常にイライラしていると思う。オオタニが在籍した最後の2シーズンもひどかったけど、今年は99敗だからね。来るところまで来たと言うべきか、チーム状態はどん底だ。何より悲惨なのは、チームが強くなる未来が見えないことだよ」

【次ページ】 「アナハイムはガラガラ」

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