ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
同じ失敗をする代表にオシムが一言。
「もっと過去の失敗から学ばねば」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byImaginechina/AFLO
posted2019/01/21 13:45
これまでも幾度かカウンターでの失点を許している日本。同じ過ちを繰り返す余裕は、もうない。
「そうなれば戦争もなくなるだろう」
「世界のどこででもプレーしたいと思ったら言語の習得は必然だ。
世界はそれぞれの場所により異なるからだ。ヨーロッパで複数の言葉を話せなければ仕事を得られないのは決して偶然ではない。子供と一緒に移動すれば、子供たちの方が新しい言葉を早く覚えてそこの文化にも馴染む。そんな風に様々なものが混じり合ってコスモポリタンになっていくのはいいことだ。
選手にとってはより簡単だ。選手にはチームメイトがいる。異なる言葉を話し、異なる考え方をして、異なる生活を営む人間とともにプレーしなければならない。
レアルやバルセロナの選手たちはいずれもワールドクラスだが、彼らは複数の言葉を話してお互いを理解し合っている。
それこそがコスモポリタニズムであり、世界が進むべき方向でもある。
そうなれば戦争もなくなるだろう」
――その通りだと思います。
「それは日本人の進む道ではない」
「選手の中には常に他人と同じではいたくないものがいる。他人と同じことをするのを嫌い、同じに見られるのを嫌がる。自分のパーソナリティーを強調しようとする。
だが、それは日本人の進む道ではない。
ボールをずっとキープし続ける。ボールコントロールの技術をさらに高めていけば、もっとスピーディーにプレーができる。日本人はメンタリティーやフィジカルの面ではとてもいい準備をしている。俊敏さもそうだ。
フィジカルに関してはさらに良くなるだろう。
良くなるというのは、俊敏さや機動力、戦闘能力、技術などが向上していくということだ。もっといろいろなことができるようになる。今よりずっとよくなり、それこそが進歩だ。
そしてそのまま進歩し続ければ――すぐに君らも世界チャンピオンだよ(笑)」
――それはちょっと早すぎます。