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フェンシング高円宮杯W杯を戦う
若き精鋭。松山、西藤、鈴村の覚悟。
posted2019/01/17 07:30
text by
宮田文久Fumihisa Miyata
photograph by
Yasunari Kikuma
来たる2019年1月26日・27日に、「JAL Presents 2019高円宮杯 フェンシングワールドカップ東京大会(男子フルーレ個人・団体)」が、港区スポーツセンター(JR山手線田町駅から徒歩5分)で開催される。
世界のトップフェンサーたちの極限の戦いを日本で目にすることができる貴重な機会なのだが、今回はなんと、入場無料。しかも、選手たちが試合をするピストの周りを観客がぐるりと取り囲んでスタンディングで観戦するという、これまでになかった臨場感あふれるスタイルでの開催ということもあって、2020年の東京五輪へ向けて、フェンシングをより身近に感じることのできるイベントとして、注目が集まっている。
若手がタキシード姿で。
今大会、まず注目すべきは、大会ポスターの被写体として抜擢された、日本の若手選手たちのプレーぶりだろう。
2018年12月14日付の国内男子フルーレ(シニア)ランキングで1位の松山恭助(早稲田大)、2位の西藤俊哉(法政大)、そして日本代表団体でも活躍する、同6位の鈴村健太(同)である。彼らは4位の敷根崇裕(残念ながら取材当日は体調不良で話を聞くことができなかった)とともに、今大会のポスターにスーツ姿で登場し、大々的にフィーチャーされている。
国内ランキング上位者のうち、次代を担う――端的にいえば、東京五輪で中心選手となるであろう、その期待を込めてのポスター起用だった。
当然のごとく、昨年12月に開催された全日本選手権では、彼らに注目が集まった。決勝は東京グローブ座という古代武闘場を思わせる劇場ではじめて開催され、AbemaTVで決勝の生中継を見た視聴者が30万人超となった。
フェンシングのスポーツとしての激しさと、エンターテインメントとしての可能性を大きくアピールした大会となったのだが、その決勝の舞台で、ポスターとなった4選手のうちの2人が頂点を競うのでは、と思っていたファンは少なくないだろう。
しかし、松山が準決勝敗退の3位。鈴村が5位、西藤は7位、敷根は10位。4人の誰一人として、決勝に進むことはできなかった。