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森保Jの“ワーストマッチ”は吉兆。
アジア杯は初戦が悪いと優勝する?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2019/01/10 12:00
難しい初戦。チームを救ったのはやはり大迫勇也らW杯経験者だった。
優勝までは7戦の長丁場。
後半は自分たちがやりたいサッカーに固執せず、スコアを引っ繰り返して勝ち点3をつかんだ。最低限の結果は得ることができた。
アジアカップは今回から24カ国出場に拡大され、優勝するには7試合戦わなければならない。長丁場の戦いを想定すれば、初戦からアクセルを踏み込むことはできない。右肩上がりに調子を上げていくのがベターだ。
苦戦は良薬に成り得る。初優勝を飾った'92年大会は、UAEとのスコアレスドローから頂点へ駆け上がった。ジーコとともに連覇を成し遂げた'04年大会は、オマーンを辛うじて振り切った。アルベルト・ザッケローニのもとで4度目の優勝を飾った'11年大会は、'92年と同じくドローからのスタートだった。
大会史上最強のチームとうたわれる'00年大会は、サウジアラビアに4-1で快勝した。ただ、4-0とリードしたあとの失点は後半アディショナルタイムで、守備陣のコミュニケーション不足によるものだった。歴代の優勝チームは、課題を塗り潰しながらアジアを制していったのである。
だとすれば、勝ってなお不満の残るトルクメニスタン戦を、前向きにとらえることはできるはずだ。前向きにとらえなければならない。
W杯の経験者はいるものの、森保監督のチームは結成間もない。アジアカップは初の国際大会である。そして、乗り越える壁が高いほどに、成長の歩幅は広い。