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金子と西の移籍を逆手に変革せよ!
オリックスに期待する長期ビジョン。

posted2018/12/31 11:30

 
金子と西の移籍を逆手に変革せよ!オリックスに期待する長期ビジョン。<Number Web> photograph by Kyodo News

ホームランを放ちベンチで迎えられるT-岡田。来季は果たしてどのような起用法で活躍するのか……注目である。

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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Kyodo News

 毎年恒例、Number Web版“プロ野球・ゆく年くる年企画”は、全12球団の反省と期待を綴った短期集中連載シリーズです。今年もそれぞれの愛すべきチームについて、しっかりと2018年、そして2019年への思いを発表したいと思います。
 第5回は、金子千尋と西勇輝が他球団へ移籍し、大いなる変革の時を迎えているオリックス・バファローズです!

 このオフの動きは、もはや“チームの解体”と言っていいのではないか――。

 長年チームのエースを担ってきた金子千尋(弌大)が自由契約となり(日本ハムに加入)、通算74勝の西勇輝がFAで阪神へ移籍した。チームの顔として君臨してきた2人の移籍が示すことの意味は大きい。

 2人だけではない。

 チームを強化するためにFAで獲得した小谷野栄一が現役を引退、アメリカから復帰した中島宏之も巨人へ移籍した。シーズン途中には、伊藤光をトレードで手放したし、中継ぎを支えてきた佐藤達也も引退している。

 先発ローテーションの関係で登録が後になった金子と故障の佐藤を除けば、今季の開幕一軍メンバーに入っていた選手ばかりだ。

 その彼らがチームを去る。この事実には、2つの見方があると思う。

 1つは、ここ数年のチーム強化策が失敗に終わったということ。

 もう1つは、このチームは新しい船出の時期を迎えている、ということだ。

シーズン前は大いに期待されるチーム!?

 ここ数年、オリックスのシーズン前の下馬評は決して低くはなかった。このオフのように、主力選手が出ていくこともそう多くはなかったし、エース金子をはじめとして、西や伊藤、T-岡田など生え抜きの選手たちが円熟期を迎えていたからだ。

 それでも足らないところは外国人やFAで補強。助っ人のスカウティングは実にうまく、また昨オフはクローザーの平野佳寿がメジャーへ活躍の場を移したが、すぐさま、FA市場にいた増井浩俊を獲得している。

 ドラフトでも2013年から4年連続で一本釣りに成功。重複した2017年もくじを引き当て、アマチュアトップ左腕を獲得している。戦力は常に充実しているといってよかった。

 しかしシーズンが始まってみると……なぜか勝てなかった。

【次ページ】 チームとして戦う形になり難い。

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