海外サッカーPRESSBACK NUMBER
「新たなネイマール」の挫折と今。
ガビゴル、祖国ブラジルでの変貌。
posted2018/12/06 10:30
text by
手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph by
Getty Images
リオ五輪サッカーのブラジル代表には、注目のガブリエルがふたりいた。
ひとりは、センターフォワードのガブリエル・ジェズス。2016年夏のリオ五輪で3ゴールを決め、19歳で金メダリストとなり、2017年1月にはブラジルのパルメイラスからイングランドへと渡る。
入団したのは名将ジョゼップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティ。シティの一員となったG・ジェズスは2017-18シーズンのプレミアリーグを制すると、18年夏にはロシアワールドカップに出場し、現在はイングランドサッカー史上もっとも魅力的なサッカーを展開しているとも評される、マンチェスター・Cに居場所を確保する。
リオ五輪前後のあの時期に、このG・ジェズスと同じくらい将来を嘱望されていたもうひとりのガブリエルはその後、どうしているのだろうか。
ブラジルのサントスで当時のクラブ歴代6位となる16歳と11カ月で先発出場し、ガビゴルの愛称でも知られるようになるガブリエル・バルボサだ。
ちなみに、その記録の歴代2位はサッカーの王様として有名なペレの15歳と10カ月、歴代9位がネイマールの17歳と1カ月だというから、何の当てにもならない単なる数字ではないだろう。
インテルに約40億円で加入も。
実際、セカンドトップ兼ウイングのガビゴルもリオ五輪で2ゴールを決め、19歳で金メダリストとなり、2016年夏の移籍でサントスからイタリアへと渡る。2021年までの5年契約で入団したのは名門インテル。移籍金は3000万ユーロ(約40億円)を超えていたという。
「新たな怪物」とも「新しいネイマール」とも称され、入団プレゼンテーションの盛大さに期待の大きさが映し出されていたものだ。
ガビゴルはその後どうしているのか。ご存じだという方は、なかなかのブラジルサッカー通だろう。
インテルでは出場機会をほとんど得られず、2016-17シーズンのセリエAは途中出場9試合のみ。何とか1ゴールを記録したとはいえ、出場時間は9試合の合計で111分だけだった。
続く2017-18シーズンはポルトガルに新天地を求めたが、インテルからのレンタル先ベンフィカでさらに評価を落とす。国内リーグの出場は1試合13分のみ。事実上の戦力外となり、在籍した5カ月のうち後半3カ月はベンチにすらほぼ入れなかった。