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鳥取・須藤大輔監督が貫く「俺流」。
初の師弟対決と終わらぬ“感想戦”。

posted2018/09/28 08:00

 
鳥取・須藤大輔監督が貫く「俺流」。初の師弟対決と終わらぬ“感想戦”。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

Jリーグクラブの監督という狭き門を異例の形でくぐった須藤大輔。この千載一遇の機会を失う手はない。

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渡辺功

渡辺功Isao Watanabe

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J.LEAGUE

 J3降格から5年目の今シーズン、ガイナーレ鳥取は開幕から6戦負けなしと好スタートを切った。その後3連敗はあったものの、J2昇格圏である2位との勝ち点差はわずかに2。

 昇格が充分狙える位置にいながらにして、まだシーズンの3分の1が終わったばかりの6月初旬、監督交代に踏み切った。

 しかも新監督に指名されたのが、現役生活の大半をJ2でプレーして、日本代表の経験もない、引退後の指導歴も山梨学院大学サッカー部のコーチを4年間務めただけで、プロチームを指揮するのは初めての新米監督だったから、驚きは二重だった。

 誰よりも驚いたのはオファーを受けた須藤大輔その人だったかもしれない。湘南ベルマーレ在籍時にチームメイトだった吉野智行強化育成部長からオファーを聞き、返答までの時間の猶予は1週間ちょっと。それでも、躊躇はなかったという。

「周囲の人からは、めちゃくちゃ難しい仕事になるぞって。監督経験のある先輩たちからは、よくオファー受けたなって。みんなに言われました。でも、実績のある人なら断ってもおかしくないこういったタイミングじゃなければ、きっと僕のような人間には声が掛からないんじゃないか。

 引退後ずっと夢見ていたJリーグの監督に向かって歩みを進めたかったなか、ここを逃したらチャンスはないと感じたので。自分のなかでは即決でした」

及第点ではダメ、明確な結果が必要。

 これがたとえば、成績が低迷して前任者が完全に求心力を失ったような状態のチームを立て直すのであれば、多少の成果をあげるだけでも認めてもらえるのかもしれない。

 けれど、前シーズンの最下位から反転、相応の積み重ねが見られたチームをさらに引き上げるのが、後任者に課せられたミッションなのだ。及第点ではダメ。明らかな結果を残さなければ、納得してはもらえない。

「たしかに難しかったですね。今までこのチームが培ってきた哲学がありますから。それを上手く引き出しながら、ちょっとずつ、ちょっとずつ自分の色を出したかったんですけど。

 最初はなかなか自分の色が出せずに、試合も勝ったり勝てなかったりでした。でも、J3には8月に約1カ月の中断期間があったんです。ここでまとまったトレーニングの時間がとれたのは大きかった。

 もともとこのチームには攻撃力、カウンターには鋭いモノがありました。それを最大限に活かしながら、相手がブロックを組んできたときに、どう崩すのか。どうやって敵陣までボールを運んでいくのか。守備も引いて守るのではなく、まずは前から行くことに取り組んできました。そこが自分の一番やりたかった部分なので。いまのところ中断明けは負けなし(2勝3分)ですけど、取り組んできたことが結果につながっているのならうれしいですね」

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