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鳥取・須藤大輔監督が貫く「俺流」。
初の師弟対決と終わらぬ“感想戦”。
text by
渡辺功Isao Watanabe
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/09/28 08:00
Jリーグクラブの監督という狭き門を異例の形でくぐった須藤大輔。この千載一遇の機会を失う手はない。
「まだ監督を始めて3カ月ちょっとですけど」
実際に対戦してみて、同じ感想を安間監督も抱いたようで「アグレッシブに行くことは、でき始めているので。次はどうやって落ち着いて守るのか。そうやって、攻める・守る・奪うがしっかり整理されていけば、もう一段チームがレベルアップするように感じました。
そうしているうちに、また新しい入口が見えるだろうし。感覚を研ぎ澄ましてグラウンドを見ていれば、どんどん良いチーム、良い指導者になっていくと思うので。陰ながら……、観ています(笑)」と、かつて苦楽を共にした後輩監督にエールを贈った。
「まだ監督を始めて3カ月ちょっとですけど、監督によって色があっていいんだなって。これまでに出会った監督のなかには、守備的でつまらないと言われるような人もいましたけど、それがその人の色なら良いんだってことが分かってきました。大切なのは何色なのかじゃなくて、その人なりの色を持つことであって。反対にあの監督は何がやりたいのか分からないっていうのが、ダメなのかなって。
いま僕は、攻撃に針を振っています。たぶん選手たちも、あの監督はいま、こういうことを考えているんだなと理解できれば、基準がハッキリして一心不乱にのめり込みやすいでしょうから。そうなれば、それが強みになると思うんです」
みずからを「反骨心と劣等感の塊」。
鳥取は24節終了時点で10勝6分7敗の勝ち点36の5位。2位アスルクラロ沼津との勝ち点差は7だ。シーズン残り9試合、10月には3位鹿児島ユナイテッド、首位FC琉球との直接対決ホーム2連戦が組まれている。
みずからを「反骨心と劣等感の塊」だと語り、「残り試合はすべて決勝戦のつもり」と意気込む、歩き始めたばかりの青年指揮官。その進む先には、全身全霊を焦がすような熱く厳しい挑戦が待ち受けている。