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ヤマハ・清宮監督「もちろん日本一」
トップリーグの短期決戦が始まる。
posted2018/08/16 08:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Masataka Tara
8月31日、ラグビー国内最高峰のトップリーグが開幕する。
今年は短期決戦だ。2019年W杯へ向けた日本代表の準備期間を確保するため、試合数は昨季から5試合減り、10試合となる。
昨季3位のヤマハ発動機ジュビロ・清宮克幸監督は、観る側の楽しみをこう語る。
「試合数が減ったことによって、試合の密度は高まります。お互いのチームが、エネルギーをより注力してくる。質が高くて、熱があって、競った試合が増えるでしょう。そこはプラスだと思います」
リーグ戦はわずかに7試合だ。参加16チームが2組に分かれ、1回戦総当たりを行う。
この7試合により、天地が分かれる。
各組で上位4位以内に入れなければ、その時点で優勝への道は断たれる。その後3試合ある順位決定トーナメントで、9~16位が決まる。
全チームが、まず7試合を全速力で駆け抜ける。観戦者にはスリリングだ。しかし、懸念もある。
「試合数が少なくなることで、いろいろな可能性も少なくなる。チャレンジをするメンバー構成とか、そういうものが少なくなるので、ラグビー全体にとっては良くないことでしょう」
今年は全5試合のカップ戦も新設されたが、「公式戦でしか味わえない空気というのはある。それはプロ野球でも一緒」と清宮監督は言う。
若手に経験を積ませたい。しかしリスクの大きい布陣は避けたい――。今季は多くの指揮官が、こうした逡巡を経験することになるかもしれない。
ヤマハをトップリーグの強豪に育て上げた。
ヤマハ発動機を率いて8年目になる。
1967年大阪府に生まれ、茨田高、早稲田大、サントリーと進み、2001年監督就任の早大では、5季で対抗戦5連覇、大学選手権優勝3回など黄金期を築いた。
サントリー指揮官を経て、2011年にヤマハ発動機へ。今でこそポピュラーなレスリング練習をいち早く採用するなど、ピッチ内外で辣腕を発揮し、チームをトップリーグ4強に再興した。