野球善哉BACK NUMBER
「島袋洋奨も高2は甲子園で負けた」
興南が0-7敗戦から得た教訓とは。
posted2018/08/15 18:00
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Kyodo News
点差ほどに力の差を感じない試合がある。
敗れた側の方に勢いがあったのに、いつの間にか、反対側のチームが差をつけて勝っている。
15日の第2試合はまさにそんな試合展開で、興南が0-7で木更津総合に敗れた。
「前半は興南ペースでしたが、安打の割にはホームべースが遠かった。2回、ホームでタッチアウトがありましたし、点数を1つずつ積み重ねていきたいところで取れなかったのが響いたかなと思います」
興南・我喜屋優(がきや・まさる)監督がそう振り返ったのは1回裏と5回裏の場面だ。
1回は1死から連続四死球で得たチャンスから4番の塚本大雅が右翼前安打を放つが、二走の仲村匠平が本塁でアウト。5回には、を2死二塁から再び4番の塚本が中前安打を放つのだが、これもまた走者の根路銘太希(ねろめ・たいき)がホームで刺されてしまった。
興南は手を打っていたが……。
変えたくても変えられない。そのうちに、失っていく。それが「流れ」というものだ。
もっとも、興南は何も手を打たないわけではなかった。
2回表に失策から1点を失ったものの、3回の守備では1死1塁からショート後方にふらふらっと上がったフライを勝連大稀がダイビングしてナイスキャッチ。一塁に転送してダブルプレーを奪った。また0-2とされた後の6回には見事なトリックけん制で二塁走者を、7回にも一塁走者を再びけん制で刺した。
それでも、攻撃面でどこか歯車がかみ合わなかった。
象徴的なのは4回のシーンである。興南は四球と内野安打で無死一、二塁として反撃態勢を作った。正午に設けられた黙とう後、西里颯が初球送りバントを試みたが、サードで封殺。そのまま無得点に終わった。