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サンウルブズ、今季最終戦を前に――。
流大「僕らは絶対に勝てるようになる」
text by
近藤篤Atsushi Kondo
photograph byAtsushi Kondo
posted2018/07/12 10:30
サントリーでは主将として日本選手権で連覇を達成。サンウルブズでも主将の重責を担い、活躍する流大。
「本当にギリギリの試合をやらないと勝てない」
――それはそうですが、観ている側としては、ダークサイドに落ちて強くなるのも、どんなもんかなと思ったりもします。
「サンウルブズというチームは間違いなく、南アフリカ勢にも、オーストラリア勢にも、そしてニュージーランド勢にも、勝てるか勝てないか、というところまでのゲームを演じられるところまではきていると思います。
ただそこで、サンウルブズの場合は本当にギリギリの試合をやらないと勝てない。70、80%の力を出しただけでは絶対に勝たせてもらえない。
レッズ戦(63-28)は結果的に点差の離れた試合になりましたが、あと2つの勝利、ストーマーズ戦(5月19日。26-23)もブルズ戦(6月30日。42-37)も本当に僅差でした。
先日のワラターズ戦(7月7日。25-77)のように1人退場になって14人で戦うとなると、まだまだチームには経験も実力も足りないんだということを実感させられました」
2019年の後はサンウルブズは不要……という意見も。
――その差というのは、個人の実力の問題なんでしょうか?
「もちろん個人の実力を上げていくのは大前提ですが、同時に、チーム全体としてのインテンシティ、強さ、経験値を全て上げないといけないですね。
特にニュージーランドのチームとやるとそれを感じます。
途中まではクロスゲームで進められるし、相手も明らかにプレッシャーを感じながらやっているんですが、最終的には20点離されてゲームが終わるんです」
――もともと代表チームの強化のために始めたんだし、どうせ勝てないんだから、2019年のW杯が終わったらサンウルブズは不要、そんなちょっと乱暴な意見もあると聞きます。
「うーん、人にはそれぞれ意見があって、価値観がありますからね。みんな自分の思ったことを言うのはいいと思いますよ。
ただ、今シーズン戦ってきた選手の1人として言わせてもらうなら、この経験は日本ラグビーにとって絶対に必要なものだと、僕は感じますね。シーズンを通じてテストマッチで得られる経験は限られていますし、対戦相手も限定されます。
スーパーラグビーには、スプリングボックス、ワラビーズ、オールブラックス、他にも様々な国の超一流選手がゴロゴロいます。これだけのクオリティの選手と戦える機会は他にないし、その機会を自ら手放してしまうのは、日本ラグビーにとってあまりにももったいないですよね」