“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
プロ野球監督になるなら公立校へ!?
PL出身の監督が1人しかいない理由。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2018/07/05 17:00
2010年の横浜vs.ヤクルト戦、試合前の1コマ。メンバー表交換時に握手する横浜・尾花高夫監督(右)とヤクルト・小川淳司監督代行(当時)。
「公立校出身者」=「調整能力にすぐれた人材」?
辻監督は佐賀東高、梨田は浜田高(島根)、福良は延岡工高(宮崎)、栗山は東京学芸大、緒方は鳥栖高(佐賀)、小川は習志野高(千葉)という具合である。
高校野球の世界では私立全盛が何十年も続き、大学では公立校が全国大会に出場すれば、それだけで話題になるほどだ。それくらい、公立校はアマチュア球界では希少なのである。それにしてはNPBの現役監督だと、実に半分以上も公立校出身者が座っているのである。
「調整能力にすぐれた人材」というキーワードがここでも鈍い光を放っている気がしてならない。
PL出身の最後のプロ野球選手となるか?
PL学園に話を戻すと、同校野球部はすでに休部となり、復活の道は絶望的になっている。
同校出身の“最後のプロ野球選手”になるのではと中川圭太(東洋大・二塁手)が注目されるのは、本人の実力以上に「PL学園出身」という部分に光が当たっているからである。
中川がプロ入りして70歳まで監督を務めても、PL学園の名前がNPBの中で生き残るのは2066年まで。つまりあと50年足らずでPL学園は完全に光を失う。それまでの残された時間、PL学園出身者には監督として存分に野球力を発揮してもらって、「PL学園はほかと違うんだ」というものを是非見せてもらいたいものだ。