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槙野智章が持つ日本一の“声”。
大音量でも、否定の言葉は使わない。 

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塚越始

塚越始Hajime Tsukakoshi

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posted2018/06/06 11:30

槙野智章が持つ日本一の“声”。大音量でも、否定の言葉は使わない。<Number Web> photograph by Getty Images

試合中に叫んでいる印象が強い槙野智章だが、その言葉の内容に怒りや叱責は含まれていない。いつだってポジティブなのだ。

浦和左サイドは代表選手を輩出してきた。

 仲間を否定する言葉は、何も生み出さない。彼はそれを有言実行してきた。

 そんなスタンスだから、勝負どころで勝てないのではないかという指摘も受けそうだ。ただ槙野と同じ左サイドでプレーしてきた宇賀神友弥、原口元気(現デュッセルドルフ)、武藤雄樹がいずれも日本代表入りを果たしていることは、偶然ではないだろう。

 橋岡の言葉からも分かるが、知らず知らずのうちに、とてつもない影響を周りにもたらしている可能性がある。

 槙野はW杯のメンバーから落選してきた。だが、日本代表の監督が交代しても計4人の指揮官から常にどこかのタイミングで呼ばれてきた。それはパフォーマンスとともに、槙野にしかない「声」という武器があったからとも言えるだろう。

「常にプラスに働きかけられるような声掛けを意識しています。相手によって言うことも変えていますよ。強く言って変わる人もいるし、強く言われて引っ込む人もいる。まあ、こういうヤツには少し強めに言っていますね(通りすぎた浦和の新人、荻原拓也の肩を叩く)」

「声で人を動かせるのは一番の武器」

 要するに、言い方を変化させている。本人としては、勝つために一段と強く指摘するようにもなった。ただ、誰かを否定するような言い方は、やはりしていない。何よりそう語る槙野自身も「声」に誇りを持つ。

「声で人を動かせるのは一番の武器。時には必要だと思います。もちろん、それだけに頼っていてもいけない。ただ厳しくも言うけど、いいプレーに対して、たたえるときにはたたえる。だって、褒められて嫌な人はいないでしょ?」

 何より、言葉は自分に返ってくる。それを把握したうえで、槙野は言葉を武器にして闘っている。

「言った本人が一番やらなきゃいけない。そこは自分にプレッシャーを掛けてやっています」

【次ページ】 ピッチの上でも、“流れ”が来ている。

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