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「2番に送りバント」は安易すぎ?
西武源田と日本ハム大田は強攻型。
posted2018/05/30 10:30
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Kyodo News
壮絶な打撃戦だった。
5月27日の西武vs.日本ハムの首位攻防戦は1回裏に西武が6点を奪ったものの、日本ハムがじりじりと追い上げて8回に同点に追いつく。そして延長10回に近藤健介の適時打で日本ハムが10-8で勝利した。両チームの攻撃力がぶつかり合った見ごたえあるゲームだった。
現在パ・リーグ1、2位を争う西武と日本ハムには共通点がいくつかある。
1つは主力をFA移籍などで2~3名失いながらも好調なこと。もうひとつは、アグレッシブな戦略だ。
この日の試合、西武が序盤に挙げた8得点には送りバントが絡んでいない。
リーグ最高得点を挙げている西武だが、犠打数は5月28日現在でわずか20だけで、12球団で2番目に少ない。その分、盗塁数は両リーグトップの56で、果敢に仕掛けてチャンスを作っている。
源田が塁に残れば、盗塁が狙える。
西武というと浅村栄斗、急成長した山川穂高、森友哉らのフルスイングが目立ち、とにかく打ちまくっていると思われがちだが、攻撃での戦略も見逃せない。
犠打が少ないのは攻撃陣がパワフルなだけでなく、状況に応じたバッティングができるからだ。
1番の秋山翔吾が出塁した場合、2番の源田壮亮が定石通り犠打をするだけでなく、打ちにいく。これでヒットが出れば一、二塁もしくは一、三塁のケースを作れるし、長打なら俊足の秋山がホームに戻ってこれる。
もし源田が凡打に終わっても、源田は秋山より盗塁が上手い。併殺にならず走者として残れば、相手にプレッシャーを与えられる。