ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
ベイ打線復調の切り札!
梶谷隆幸、1番起用の意味。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2018/05/26 11:30
昨季は21本塁打、21盗塁で、球団では長崎慶一以来39年ぶりとなる「20-20」を記録した。
あの三振が非常に少ない選手も参考に!?
バッティングフォームはいくぶんコンパクトになり、ミートポイントが広がったように感じられる。
そして立ち位置が以前よりもベース寄りになっているのもポイントだ。
「昨年はベースから離れて立って右足をインステップしていたのですが、それだと内側のボールが見えなかったんです。でも最近はベースに少し近づいて、スクエア気味に右足を踏み込むようにしたらボールの見え方がずいぶん良くなりましたね」
また同学年で仲の良い、昨年の首位打者である宮崎敏郎のフォームを左右反転させたような構えにも見えるのだが……。
宮崎と言えばヒッティングの妙技はもちろん、三振が非常に少ない選手でもある。
「正直、まったく参考にはしていないですね」
梶谷は、笑いながら否定した。
「たまたま構えた腕の位置が低いからかもしれません。すごく今、そのフォームが心地いいんですよ。脱力から早めにタイミングをとってスイングするという」
「自分がどんなタイプかは自分がよくわかっている」
そういえば以前、梶谷に「どの打順が最もやりにくいか?」という質問をしたことがある。すると間髪入れず「1番」と答えてくれた。理由は「出塁が求められるなど、考えることが多いから」ということだ。
「まあ、以前ほど気にはしていませんね。1番はやっぱり出塁が大事だとは思いますが、ただ僕としては持ち味である長打も捨てたくはない。塁に出るためにボールを見過ぎるのは避けたいなって。
監督からの指示ですか? いや、とくには受けていないです。
もちろんフォアボールも取りたいですが、自分がどんなタイプかは自分がよくわかっているし、待って後手にまわってしまう状況は苦手なんです。だからこれまでと変わらず積極的に振っていきたいですね」