欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
起用法を巡る騒動は世界でも日常的。
騒動の主役がハリル、なのが寂しい。
text by

吉田治良Jiro Yoshida
photograph byGetty Images
posted2018/05/02 11:30

かつて所属したユベントスのジダンとマッチアップするR・バッジョ。指揮官との確執は常に報じられるところだった。
騒動の主役は監督、協会だった。
サッカーは監督のものではなく、選手のものだと高らかに宣言するような意地のゴールで、颯爽とチャンピオンズリーグの挑戦権をもたらした孤高の天才は、これを置き土産にインテルを去るのだ。
そして皮肉にもリッピは、憎きバッジョによって解任を免れる。
現在の日本サッカー界に、プレーですべての人を納得させる、バッジョのようなスペシャルなタレントはいない。
今回の一連の騒動で主役となったのも、監督であり、協会だった。日本サッカーの未来を左右する一大事に、選手が「主語」として語られなかったことが、語られるような選手がいないことが、なによりも寂しい。
