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イングランドの3-4-1-2が結構強い。
長期計画のスタイル変更が遂に実る。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2018/03/31 11:30

イングランドの3-4-1-2が結構強い。長期計画のスタイル変更が遂に実る。<Number Web> photograph by Getty Images

デル・アリら俊英が伸び盛りのイングランド。ロシアW杯に向けても期待値が上がっている。

足元の確かなGKを選定するために。

 1つは足下の確かなGKの選定である。予選までゴールマウスに君臨したジョー・ハートはロングキックを多用するタイプ。クラブでも、足下派のペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティでは定位置を取れず、トリノ、ウェストハムとレンタル移籍が続き、調子を落としている。GKとしてはピーク年齢に到達したばかりの30歳だが、今夏は第3GKとしてのメンバー入りが限界と思われる。

 ナンバー1の座を争うのは、24歳のジョーダン・ピックフォード(エバートン)と25歳のジャック・バトランド(ストーク)だ。「現時点でのチョイスは想像がつくだろう?」と語るサウスゲイトは、足下の安定性で前者を好んでいるようだ。3月23日のオランダ戦(1-0)では、エリア外でボールを処理した後のパスで決勝ゴールの起点となった。

 また昨年11月のドイツ戦(0-0)では好セーブを繰り返し、優勝候補を零封。本職の守りに関しても、「負けなかった理由」として指揮官に認められている。一方バトランドは27日のイタリア戦(1-1)でチャンスを得たが、所属クラブの厳しい残留争いが待ち受けるバトランドをリードしている。

最終ラインではマンC勢が好アピール。

 オランダ、イタリア戦ともに3バックの中央で先発したジョン・ストーンズは、ビルドアップの起点となる。マンチェスター・シティで盤石の立場とは言えないが、足下の技術と自ら持ち上がる勇気は、ユース代表時代からサウスゲイトに買われていた。

 イタリア戦では立ち上がりにミス連発で危機を招きかけたものの、その後は立ち直って評価された。使って育てる意欲を持つサウスゲイトが前もって「ミスも経験のうちだ」と発言したことが、23歳のリベロへの批判的な見方を和らげた感もある。

 ストーンズの右隣にカイル・ウォーカーを配したのもサウスゲイトらしい。指揮官は元DFということもあり、攻めの姿勢を意識しても守りを軽視しない。ウイングバックもDFに任せる方針で、過去4試合では今季マンチェスター・ユナイテッドでSB起用されているアシュリー・ヤングがウイングバックで試されている。

 それとともに今回の連戦で、右ウイングバックと目されたウォーカーが右CBを兼任できることが証明されたのも大きい。

【次ページ】 お膳立て役はデル・アリと見られていたが。

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