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イングランドの3-4-1-2が結構強い。
長期計画のスタイル変更が遂に実る。

posted2018/03/31 11:30

 
イングランドの3-4-1-2が結構強い。長期計画のスタイル変更が遂に実る。<Number Web> photograph by Getty Images

デル・アリら俊英が伸び盛りのイングランド。ロシアW杯に向けても期待値が上がっている。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 1勝もできず、グループステージ最下位で姿を消した前回のW杯から4年。ロシア大会に向けて、イングランド代表は変わった。

 もっとも、FA(サッカー協会)を先頭に目指す優勝候補への返り咲きには時間を要する。A代表が半世紀以上も遠ざかっている世界タイトルを本気で狙うのは、依然として4年後のカタール大会。

 母国のサッカー史上で最低最悪の敗北とまで言われたEURO2016・ラウンド16、アイスランド戦での敗退から、まだ丸2年と経っていないのだ。

 しかし、屈辱のアイスランド戦で先発したイレブンのうち、6月18日のチュニジアとのロシアW杯第1戦をスタメンで迎えられる選手は、5、6名にとどまるだろう。すでに代表を引退しているウェイン・ルーニーからキャプテンマークを引き継ぐかに思われた、ベテランCBギャリー・ケーヒルはロシア行き自体も怪しい状況だ。

 そもそも、昨年10月に本大会出場を決めた予選当時と比べてシステムが変わっている。慣れ親しんだ4-2-3-1は、予選終了とともに過去のものに。ロシア行きのノルマ達成を境に、監督就任2年目のガレス・サウスゲイトは、イングランド代表では異例の3バックの基本化で自分の色を打ち出し始めた。

イングランドにポゼッションスタイルを。

 指導者としてのサウスゲイトは、エリート選手の育成責任者とU-21代表監督を経て、A代表監督への階段を上っている。いわば、復興を期して改革に着手したFAによる純粋培養に近い。よって改革の根底にある、よりテクニカルで攻撃的なスタイルをチームに植え付ける意識も強い。

「サウスゲイトのイングランド」にとって本格的な船出とも言うべきW杯でも、後方から繋いで攻めるスタイルを貫く覚悟だ。国際大会ともなると守備重視で縦に速いカウンターに終始した過去に別れを告げ、ポゼッションスタイルで戦おうとしているのだ。

 そこで、W杯メンバー発表前の最終オーディションと位置付けられた3月のテストマッチ2試合では、特に2つのポイントが注目された。

【次ページ】 足元の確かなGKを選定するために。

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