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ドーピング選手に負けて人生が激変。
ソチでは日本選手も被害、平昌では?
posted2018/01/15 11:00
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
AFLO
平昌五輪開幕まで1カ月を切ったが、ロシアのドーピング問題はいまだに解決する兆しすらない。2014年頃からロシア選手のドーピング発覚と処分、そして組織的かつ意図的なドーピングが発覚して以来、定期的に新たな「溜め息の出るニュース」が届いてくる。
あまりにもロシア関連のドーピングが多いせいか、麻痺したり慣れてしまってはいけない問題なのに、最初に感じた衝撃や大きな怒りや失望は時間とともに薄れ、日常のごくありふれたニュースとして受け入れてしまいそうになる。
12月5日、国際五輪委員会が平昌五輪へのロシアの出場資格停止を決定したのは、ニュースでも大きく取り上げられたので多くの人が知っていると思う。
国際五輪委員会が「反ドーピング」に対して強硬に対応するのも、ドーピングで個人ではなく、国が出場停止になるのは五輪史上初のことで、極めて異例の決断だ。
ロシアの「チーム」として出場が認められている。
その決定からすぐ、ドーピング検査などで一定の条件をクリアした選手は個人での出場が認められた。従来のロシア代表ユニフォームではなく、ロシア国旗のカラーをあしらい「ロシア出身のオリンピック選手」という名称を入れたものの着用が認められ、最終的にはロシアの「チーム」として出場が認められている感がある。
つまり今回の出場停止という決定は、ロシアの一連のドーピングスキャンダルとソチ五輪の検体の再検査の結果と世界的な世論を受けて、何かしらの処分を下さざるを得なかっただけで、国際五輪委員会の本音は、ロシアとの関係性を壊したくないというところだろう。