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スーパーラグビー参戦の意義とは。
ジョセフHC兼任に浮かぶ改善点。
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byAFLO
posted2017/10/11 07:00
自国開催のW杯まで残り2年。ジョセフヘッドコーチにかかる重責は大きい。
待ち受けるオーストラリア、トンガ、フランス戦。
とはいえ、ジョセフ&ティアティア体制に終止符を打ち、強化の体制を一本化したことには相応にリスクも伴う。
そもそも2人が起用されたのは、気心のしれたニュージーランド人同士が密に連絡を取り合い、アイディアや意見などを忌憚なく交わしながら、日本代表とサンウルブズのポテンシャルをフルに引き出していくためだった。
だがジョセフがサンウルブズのヘッドコーチも兼任すれば、そのようなオプションは当然なくなる。サンウルブズであると代表であるとを問わず、日本ラグビー界全体の強化を担う総責任者として、真価が問われる局面を迎えたと言ってもいい。
しかも総責任者としての正念場は、来年2月のスーパーラグビー開幕よりもはるかに早く巡ってくる。
来月末から、日本代表は世界選抜戦(10月28日)、オーストラリア代表戦(11月4日)、トンガ代表戦(11月19日)、そしてフランス代表戦(11月28日)という試合に臨む。とりわけオーストラリア代表戦とフランス代表戦は、大きな重要性を持つ。日本代表は昨年の秋、ウェールズに善戦したところまでは良かったが、そこから大きな成長は見られていないからだ。
W杯までテストマッチの機会は限られている。
2019年のワールドカップ母国大会まで、日本代表に残された時間は少ない。テストマッチを行えるタイミングは2017年秋、2018年春、2018年秋、2019年春に限られる。万が一来月のテストマッチでも結果を出すことができなければ、このままで2019年に間に合うのかという疑問の声が、一気に吹き出す危険性さえある。
はたしてジェイミー・ジョセフは、最大の勝負所をいかに乗り越えてみせるのか。一世一代の決断に踏み切った指揮官が、2019年に向けて明るい航路を指し示してくれることを期待したい。ジェイミー・ジョセフ、日本代表、そして日本ラグビー界には、それだけのポテンシャルがあるはずだ。