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サンウルブズ快勝は想像以上の快挙。
今こそラグビー日本代表の利益に。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2017/07/20 07:00
暑さの中でも足が止まらない。気候を味方につけて運動量で勝負しきる形は、日本代表にとってもヒントとなるかもしれない。
サンウルブズと日本代表を両立する選手の考えは?
日本代表ヘッドコーチ(HC)のジェイミー・ジョセフのもとで、サンウルブズは日本代表との結びつきを深めている。日本代表選手、日本代表入りの資格がある外国人選手でチームを構成し、ゲームプランにも共通性を持たせている。自国開催である2019年のワールドカップを見据えた強化の一環だ。
他でもない選手たちは、どのようにとらえているのか。今シーズンはサンウルブズと日本代表でプレーしてきた福岡堅樹は、ためらうことなく答える。
「サンウルブズがスーパーラグビーに出ることは、日本代表にも間違いなく生きていると思います。これだけタフなゲームを重ねられるのは、こういうところに身を置かないとできないことです。つねに全力を出し切らないと勝てないような相手と戦うことは、ホントに成長につながっていると思います」
世界のラグビーを経験する場なのは間違いない。
ティモシー・ラファエレの言葉にも淀みがない。昨秋に日本代表デビューを飾ったニュージーランド出身の25歳は、くっきりとした瞳に澄んだ色を浮かべた。
「サンウルブズの経験は、代表にすごくいい貢献をしていると思います。スーパーラグビーでプレーすることは、インターナショナルなラグビーがどんなものなのかを、経験することにつながっていると思いますので」
サンウルブズが下したブルーズ23人のメンバーのうち、3分の1が代表経験者だった。現代表選手も、もちろんいる。ピッチ上で繰り広げられる攻防は、紛れもなく世界基準だっただろう。個々の選手が経験値を高める機会として、あるいは国際舞台で通用する人材を発掘する場所として、スーパーラグビーは確かに価値がある。
もし足りないものがあるとすれば、チームとしての経験値を高めることだろうか。