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サンウルブズ快勝は想像以上の快挙。
今こそラグビー日本代表の利益に。
posted2017/07/20 07:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
ZOZOマリンスタジアムがプロ野球のオールスターに沸き上がり、埼玉スタジアムで浦和レッズとドルトムントがシーソーゲームを演じた7月15日、秩父宮ラグビー場で歴史的な勝利が生まれた。スーパーラグビーに参戦しているサンウルブズが、シーズン最終戦でニュージーランドのブルーズを48-21で撃破したのだ。
猛烈な日差しが選手たちの頭を焼き付ける12時5分キックオフの条件は、ニュージーランドからやってきたブルーズにはタフなものだったに違いない。それでも、ブルーズのジェームズ・パーソンズ主将は「暑さを含めてコンディションの影響はあったが、それを言い訳にはできない。試合に向けた姿勢が大きな要素で、我々は個々の選手のメンタルに課題があった」と振り返っている。最後まで足を止めないサンウルブズは、スーパーラグビーで3度の優勝を誇る強豪を制圧した。
これまでで最多の48得点を記録した歴史的な勝利。
スーパーラグビーはアフリカ1、アフリカ2、オーストラリア、ニュージーランドの4つのカンファレンスで18チームが参戦しており、ブルーズは最激戦区のニュージーランドカンファレンスで最下位に沈んでいた。8チームで争われるプレーオフ進出の望みを、すでに絶たれていた。
一方のサンウルブズも、アフリカ1カンファレンスの最下位だった。とはいえ、カンファレンスの異なるチームとの対戦も含めた最終成績は、ブルーズの7勝1分7敗に対してサンウルブズは2勝13敗となる。
暑さというホームアドバンテージに支えられたものの、ブルーズ撃破は歴史的と言って差し支えない。7-21からスコアを引っ繰り返し、スーパーラグビー初参戦の昨年も含めてチーム最多となる1試合8トライと48得点を記録したゲームは、シーズンを締めくくるにふさわしいものだった。