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ラグビーW杯、過密日程、主将論。
堀江翔太と立川理道が語り尽くす。
posted2017/05/05 08:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Tomoki Momozono
エディー・ジャパンとサンウルブズを支えた2人のリーダーが、日本ラグビー界を力強く牽引している――。
そんな2人に、チームの現状や今後の課題、そして、2019年W杯に懸ける思いを縦横無尽に語っていただきました! Number916号掲載のスペシャル対談を、ウェブで特別公開いたします。
――2019年のW杯に向けて、ジャパンがようやくスタートしました。ヘッドコーチにジェイミー・ジョセフが就任して、アルゼンチン戦は結果として大差の敗戦となりましたが、ジョージアに勝ち、ウェールズにも善戦した。W杯の時と比べてどんな変化が起きましたか。
立川 ラグビースタイルは、明らかに違います。いちばん分かりやすいのがキックの比率。去年までは6対1だったのが、今は2対1くらいに増えたのかな。最初はギャップを感じましたけど、練習、試合を重ねるにつれて違和感がなくなってきた。
堀江 みんな、役割を理解してきたね。ウェールズ戦でもセットピースがだいぶ良くなってきたし、トライの取り方、それに自分たちの強みが分かってきた。
立川 カーディフでのウェールズ戦、なんだかW杯の時に近い雰囲気を感じて、幸せだなあと思いましたよ。
堀江 お客さんが入ると、力になる。日本でもそんな環境が作れるといいよね。
W杯後はメンタルを上げるのも厳しかった。
――W杯が終わってスーパーラグビー(SR)への参戦もあったこの1年間は、怒濤の時間が流れたんじゃないですか。
堀江 楽しいようで、大変な1年でしたね。W杯から帰ってきてからはメンタルを上げるのも厳しかったし、サンウルブズもゼロを1にする作業はしんどかったです。
立川 僕はそんなに大変じゃなかった(笑)。
堀江 これから大変になるって。
立川 W杯の後、クボタに戻ってからはリーダーの役割はなかったし、サンウルブズでもゲームキャプテンは務めましたけど、堀江さんがほとんどやってくれたんです。コーチと話し合いをするなかで、システムや、アタックのバランスを変えたりとか、いろんな仕事をしてくれたので。
堀江 スクラムコーチもいなかったしね。いま、ジャパンではキャプテンといいながら、僕は何もしてないと思います(笑)。
立川 アタックではハーフ団がコントロールして、ディフェンスにはリーダーがいる。セットピースにも責任者がいて、役割分担は出来てますね。