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ラグビーW杯、過密日程、主将論。
堀江翔太と立川理道が語り尽くす。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byTomoki Momozono
posted2017/05/05 08:00
ひょうきんな表情を浮かべる堀江(左)と立川。しかし日本ラグビーへの話に及ぶと、言葉の一つ一つから真摯な姿勢が伝わった。
リーチさんが代表来たら、タンク満タンになるはず。
立川 でも、お世辞じゃなく、サンウルブズでも、スタッフや堀江さんがポジティブな雰囲気を出してくれてたから、自分はプレーに集中出来た。
堀江 そういう言葉はありがたいなあ。僕のような人間がいれば、ノンキャップや若い選手たちが安心できると思うし、伝えられることは伝えたいしね。でも、リーチ(マイケル)とか、マレ(・サウ)とか帰ってくるでしょ。その時には頑張ってもらおう。お互い、交代制で休み取って(笑)。
立川 リーチさんとか、代表に来てたら、すぐにタンクが満タンになってたと思うな。
堀江 リーチは何歳だっけ?
立川 僕の1個上ですから、28歳です。
堀江 君たち、めちゃくちゃ若いね(笑)。
立川 ただ、僕はリーチさんや他のメンバーで今回、遠征に参加しなかった人たちの気持ちってすごく分かる気がする。
――辞退の理由として、気になるのが「諸事情」という言葉です。個人の事情を優先させているのかと、あれこれ考えてしまう。
立川 曖昧にするより、「今回、この選手はこういう理由で」と説明してくれた方が、みんなにとっていい気はします。
このままの試合ペースだと、2019年にはパンクする。
――疲労と関連しますが、新たな課題として重要なのがSRに参戦して試合数が増えていることです。
立川 このまま選手たちが出続けたとしたら、たぶん2019年にはパンクします。単純に積み上げていくと、代表戦が年に8試合程度。それにトップリーグとSRが15試合ずつで、勝ち抜けばプレーオフがある。全部出たとしたら年間40試合くらい。
堀江 僕の場合、34試合くらい出ることになるね。
立川 僕は今のところ大丈夫だけど、きっと選手寿命縮めてるよなあ……と感じることもあるんです。
堀江 試合に対して、ちょっとお腹がすいたくらいのままずっとやりたいからね。満腹になるのは、自分ではなかなか気づけないから、上の人が試合数やプレー時間を見て、ストップを掛けてくれるとうれしい。選手から「疲れた」とは言い出せない。