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五輪競技ボルダリングに新風が!
決勝進出6人中3人が中学生の衝撃。
posted2017/02/02 08:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
第12回ボルダリングジャパンカップに行ってきた。
ボルダリングは、2020年東京五輪の追加種目になり、昨年から俄然注目が高まってきたスポーツだ。その影響もあってか会場の代々木第二体育館には1641名のファンが集まった。
大会の演出は考えられていたと思うが、選手紹介が一見のファンには少々伝わりづらく、横ノリ系の音楽がかかる中で観客は静かに競技を見守り、会場内の気温が寒かったりするなど、運営面は発展途上の部分もあった。
ただ、ボルダリング自体は見ていて面白かった。
制限時間内に傾斜のある5mの壁を登ってゴールするシンプルな競技だが、一撃(1回で完登)すれば会場内は盛り上がる。次のホールまであと一手というところだったり、落ちないように我慢していると会場のあちこちから「がんば!!」という声援が飛ぶ。ラストにトライし、見事に完登した時の選手と会場の一体感はなかなか熱いものがあった。
しかし、今大会で何が驚いたかというと10代の選手の人数の多さだ。
中学生が決勝まで勝ち上がるのは決して容易ではない。
ボルダリングはジャパンカップが事実上、日本一を決める大会である。つまり日本のトップが集う大会だが、例えば女子は61名のエントリー中32名が10代の選手。ファイナリストは6名中、野口啓代(27歳)を除く5名が10代だった。ちなみに野中生萌(のなか・みほう)と小武芽生(こたけ・めい)はともに19歳、伊藤ふたばが14歳、森秋彩(もり・あい)と工藤花は13歳である。
卓球男子では13歳の張本智和が全日本卓球選手権一般の部に出場したが4回戦で敗れ、女子で優勝した平野美宇は16歳である。他競技でも若い世代の活躍があるとはいえ、中学生が決勝まで勝ち上がるのは決して容易ではないのだ。