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五輪競技ボルダリングに新風が!
決勝進出6人中3人が中学生の衝撃。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byAFLO

posted2017/02/02 08:00

五輪競技ボルダリングに新風が!決勝進出6人中3人が中学生の衝撃。<Number Web> photograph by AFLO

ジャパンカップで圧巻の登りぶりを見せた伊藤。東京五輪開幕時点でも10代という若さである。

練習は平日3時間、土日は4~5時間ほど。

 伊藤にとっては、憧れの先輩を破っての優勝なだけに感慨深いものがあったはずだ。「まだ優勝の実感がないです」と苦笑していたが、野口に「優勝おめでとう」と言われた時は、うれしかったとニコリと笑った。

 伊藤は一般の部では初優勝だが、ユースレベルでは国内外で優勝を果たすなど経験値は十分にある。身長160cmでまだ伸び盛り、手足の長さと体の柔らかさを生かして登っていくスタイルは非常に美しい。

「パワーを使うのが苦手なので、もっとパワーを使えるように体を鍛えています」

 課題も把握し、今は時間さえあれば体幹のトレーニングをしているという。

 練習は平日は3時間、土日は4、5時間程度、県営のボルダリング施設で行う。登るのが好きなので趣味も特にないという。

「将来は、もちろん東京五輪に出たいですけど、野口さんがワールドカップに出て活躍したのを見て、私も出たいなと思っていたので、早く出たいなと思います」

「牛乳を飲んでもっと身長を伸ばしたいです」

 ワールドカップなど国際大会出場には年齢制限があり、16歳からになる。

 だが、この先の2年間はうかうかしていられない。下の代が猛烈な勢いで伸びてきているのだ。

 特に13歳の森は、リーチや体格の問題などもあり、今回は優勝できなかったが予選1位、準決勝2位で通過した実力は本物だった。決勝は4位に終わったが「悔しい。3課題はリーチは届くと思うんですけど、もっと距離を出せれば……。飛んだりするのはまだちょっとできていないんで、これから牛乳を飲んでもっと身長を伸ばしたいです」と悔しさを噛みしめていた。

 競技をスタートしてまだ6年、身長は152cmだが、これから伸びて体力がつけば、末恐ろしい選手になりそうだ。

【次ページ】 なぜ「スーパー中学生」が登場したのか?

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