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ジダン、監督という仕事を語る。
「忍耐強く、人の話を聞くことを」 

text by

ティエリー・マルシャン&フレデリック・エルメル

ティエリー・マルシャン&フレデリック・エルメルThierry Marchand et Frederic Hermel

PROFILE

photograph byFRANCK FAUGERE

posted2017/01/23 07:00

ジダン、監督という仕事を語る。「忍耐強く、人の話を聞くことを」<Number Web> photograph by FRANCK FAUGERE

名選手、名監督にあらず……のジンクスを覆しつつあるジダン。その底流には、誠実で飾らないジダンの性格がある。

「(ジダンという)名前は役に立たなくなった」

 選手時代にまとっていたオーラが、最初の仕事をしやすくした。でも3週間を過ぎるころには、その効果はなくなった。

(ジダンという)名前は役に立たなくなった。

 監督のプレーのコンセプトと仕事ぶりを気にしながらも、選手は試合に勝ちたい。監督に求められるのは周到さだ。

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 自分は毎日学んでいるし進歩していると思う。

 満足しているのは進歩が感じられるからだ。

 とりわけ会話については、選手への言葉が豊富になったし関係もより親密になり、感情を分かち合えるようになった。僕は彼らをよく理解し、彼らも僕のことをよく分かっている。

 現役時代の僕は、監督に対して常に敬称を使っていた。チームメイトたちは違っていて、ディディエ(デシャン)もローラン(ブラン)も、エメ(ジャケ)に対等に話しかけていた。僕にはそれはできなかったけど、ここスペインでは誰もが自然に(君=僕の言葉使いで)対等に喋っている。

 つまり僕は饒舌でも話好きでもない。

 45分もミーティングを続ける監督ではないということだ。選手が長話を聞きたがっていないのはわかっている。僕自身がそうで、選手のころは長いミーティングでは話を聞かずに別のことを考えていた。

「僕は選手を心の底から愛している」

(選手のころと監督の今とで)僕自身は変わってはいない。ロッカールームでは常に適切な距離を保つようにしている。

 僕は選手を心の底から愛しているのだから。

 彼ら自身と彼らのしていることに敬意を払っているのは間違いない。彼らの双肩には、想像を絶するプレッシャーがのしかかっていることを忘れてはならない。僕はそれを鎮静化したいといつも思っている。

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