フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ジダン、監督という仕事を語る。
「忍耐強く、人の話を聞くことを」
text by
ティエリー・マルシャン&フレデリック・エルメルThierry Marchand et Frederic Hermel
photograph byFRANCK FAUGERE
posted2017/01/23 07:00
名選手、名監督にあらず……のジンクスを覆しつつあるジダン。その底流には、誠実で飾らないジダンの性格がある。
「忍耐強く、人の話を聞くことにしている」
忍耐強く、人の話を聞く――僕は他人のアドバイスをよく聞くようにしている。
指導者の養成を受けていた3年間に、さまざまなことが心に浮かんだ。それは選手時代のさまざまな出来事で、僕を指導した監督から、僕はこれまで多くを学んでいたということに気づいたんだ。
幸運だったのは、彼らが世界最高の監督たちだったことだ。
フランス代表やレアル、ユーベ、ボルドー……。カンヌですらそうだった。ジャン・フェルナンデスやギィ・ラコンブは、優れた能力を発揮して僕を育ててくれた。レアルのロッカールームには、そうした監督たちの片鱗が、僕とともに存在している。
監督を始めるにあたり、僕には17年間のロッカールームの経験があったわけだ。
「ときに僕のスペイン語を馬鹿にしてからかう」
このチームの監督を引き受けて、何がどうなるのか、僕にはよくわかっている。
選手はどんなことだろうと、僕のことを見逃しはしない。
そしてときに僕のスペイン語を馬鹿にしてからかう。でも僕が彼らに何を期待しているかがはっきりしているかぎり、それは大したことじゃない。
監督に就任したときから、手元に世界最高の選手たちがいることはわかっていた。他のどの監督にもそんなことは言えないだろう。僕は大きなアドバンテージを得てスタートを切った。
それでも自分の哲学、プレーのアイディアをチームに浸透させる必要があったんだ。
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僕は仕事(練習・努力)を信じている。
仕事(練習・努力)なしには才能は花開かない。
そのことを選手に伝えたい。
彼らは僕のすることを信じているし、僕はロッカールームで何が起こるかをよくわかっている。僕はかつてそれなりにいいサッカー選手だった(微笑)。だからどうすればチームを自分が思うようにプレーさせられるかをわかっている。
明確なアイディアが、僕にはある。そのすべてをピッチの上で実現するべく努力するだけさ。
その秘訣は何かって?
ずっと試合に勝ち続けることさ。