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打者・大谷翔平は清原、松井級か。
清宮にも通じる長距離砲復権の流れ。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2016/12/26 11:00

打者・大谷翔平は清原、松井級か。清宮にも通じる長距離砲復権の流れ。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

侍ジャパンのオランダ戦でも驚愕の一撃を放った大谷。この長打力が高校球児を刺激しているのは間違いない。

気持ちよくスタンドに放り込む、衝撃の打撃練習。

 2009年にマツダスタジアムが開場し、その前年に神宮球場の両翼が97.5メートルに拡大するなど、国際規格を満たす球場の増加につれて「強くバットを振って強い打球を飛ばす」選手が増えていった。中田、柳田悠岐、山田哲人、筒香嘉智という選手たちである。この流れに乗って打者・大谷翔平が出現し、今バットマンとしての才能を開花させようとしている。

 明治神宮大会直前の11月9日、社会人関東選抜vs.オランダ代表戦後、侍ジャパンの打撃練習が行なわれたのだが、そこで見た大谷の迫力が忘れられない。

 逆方向への打球が気持ちよく伸びていき、内角低めを苦にしないで柔らかいバット操作でライトスタンドにも数発運ぶのである。

 さらにバッティングケージに入る前のティーバッティングでは、スイングの強さや速さが中田、筒香をはっきり凌いでいた。空気を切り裂く音と、打球がネットに突き刺さる音が大げさでなく怖くなるくらいで、バッティングに専念していたらどんな成績を残していただろうと思わされた。

超特大ホームランに、一塁到達は超高速の3.87秒。

 もう少し大谷の話をさせてもらうと、このバッティング練習の3日後に見た侍ジャパンの強化試合、日本対オランダ戦の5回裏、大谷はメジャー通算53勝のジャージェンスから右中間上段に特大のホームランを放り込んでいる。

 そしてタイブレークが採用された8対8の10回裏には無死一、二塁からボテボテの三塁ゴロを打ち、このときの一塁到達が私のストップウォッチでは超高速の3.87秒を計測した。キャッチャー寄りで捉えて利き手で強烈に押し込む大谷ならではの特大ホームランとイチローに匹敵する韋駄天。こんな選手が日本にも出てきたんだという喜びがふつふつと湧いてきた。

【次ページ】 明治神宮大会決勝、清宮が見せた“第二の天性”。

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