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中日低迷は落合GMだけの責任か。
年俸削減に囚われた3年間の結末。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/12/23 11:00

中日低迷は落合GMだけの責任か。年俸削減に囚われた3年間の結末。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

今季途中からチームを率いた森繁和監督と落合氏。2000年代の中日を知る野球ファンにとって、今季の低迷は信じ難く感じただろう。

井端に続き、大島や平田までFA流出危機に陥った。

 その後も'14年オフには大島洋平外野手との交渉で「オレが監督ならお前の守備では使わない」と言い放って交渉が難航。やはり「休んでいた間はゼロではなくマイナス」と言われた平田良介外野手と2人が提示を保留するなど、上から目線の交渉は物議を醸すことになった。その結果、'15年オフからは、直接GM自身は交渉の場には立たなくなっていた。

 ただ、今年のオフにはフリーエージェントの権利を得た大島、平田両外野手がすんでのところまで流出する危機を招くなど、チーム内での軋轢は抑えることができないところまできていた。両選手とも最終的にはチームに残ったが、実は落合GMと契約更新をしないことは11月中には本社内では確認されており、その事実が2人の残留と無関係でなかったことも推察される。

 これが落合体制の3年間で「やったこと」だった。

年俸抑制という手段を選択したことが、問題の本質。

 ただ、中日にとっての3年間の最大の誤謬は、落合GMの手腕だけではないはずである。むしろ悪化している球団経営再建の道として、選手の年俸抑制というマイナスな手段を選択したことだったのではないだろうか。

 数年前からリーグビジネスを含めて積極的な球団ビジネスを展開するパ・リーグ6球団は、まだまだ黒字経営まで行かない球団もあるが、それでも観客動員を増やし、グッズ売り上げなどで収益を伸ばしてきている。

 一方、巨人、阪神の老舗球団を抱えるセ・リーグは、リーグビジネスという点でパ・リーグに後れをとる部分もある。ただ、その中で広島やDeNAがスモールマーケットの中での積極的なビジネス展開で活路を見出し、集客力を高めて黒字への経営転化を実現している。

【次ページ】 落合博満とは、やはり現場の男なのである。

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