熱血指揮官の「湘南、かく戦えり」BACK NUMBER

ついにホームで2連勝の湘南。
曹監督が選手に伝えた3つの「I」。

posted2016/06/22 12:00

 
ついにホームで2連勝の湘南。曹監督が選手に伝えた3つの「I」。<Number Web> photograph by Shounan Bellmare

ホーム2連勝でサポーターに笑顔で挨拶する選手たち。ステージ後半になってジリジリと良い結果が出始めている。

text by

曹貴裁

曹貴裁Cho Kwi-Jae

PROFILE

photograph by

Shounan Bellmare

 Jリーグの監督は、目の前の試合に対してどんな準備をし、結果をどう受け止め、そしてどんな思いで次の試合に向かうのか……。
 本連載では、湘南ベルマーレを率いる曹貴裁監督が、試合に臨むまでの過程を記した前週の日記と実際の試合結果を受けての胸中を同時に紹介。
 悩み、考え、決断する監督のリアルな声を毎週お届けします!
 今週は、曹監督が思いをめぐらせて導き出した「選手を成長させる言葉の数々」が登場します。

*本連載ではチョウ・キジェ監督の氏名表記方法につきまして、湘南ベルマーレとの協議により「曹貴裁」と統一いたします。

<第16節・磐田戦前週の監督日記>

●6月15日(水)

 6月も半ばに入り、改めて今後の日程を睨むと8月の終わりまではほぼナイトゲーム。本当に暑い夏の12試合をどんな結果で終われるかが我々の今シーズンの立ち位置を決めることは間違いない。加えて7月の頭から、各チームもところどころ補強をしたりだとか、新しい選手を加えて1stステージよりさらなるパワーアップを狙ってくる。新しく来た選手たちを含めてどんなチームにしていけるかが、どのチームにおいても一番のポイントになってくるはずだ。

 そんな中、今日のトレーニングは週末に対戦する磐田のことを踏まえたものもあったが、練習前のミーティングで選手に3つのキーワードを与えた。それは「3つのI(アイ)」。

 まず1つはIndependence(インディペンデンス/独立性)。

 誰かに言われたり、求められたからではなく、自分で自立してピッチの中で判断していく。これは当たり前のことだが、自己判断を磨いていくという姿勢を改めて持とうということ。

 2つ目はIntelligence(インテリジェンス/情報、知性)。

 是か非か、良いか悪いか、ドリブルかパスか。そういうことを判断する上での材料をたくさん持てるようにしようということ。そのために例えばオフザピッチで本を読んだりすることもひとつかもしれないし、人と話したりすることも大事かもしれない。そうやって思考能力を高めていこうと。

 もう一個はIntensity(インテンシティ/強度の高さ)。

 夏だからこそ我々が大事にしているアグレッシブなフットボール、シームレスなフットボールをやらなきゃいけないということ。その3つを選手たちと再確認した。

 我々はここ最近、順位は下から数えた方が早いところにいるけれど、ここ7試合の勝点獲得率でいうと上から数えて9番目にいる。なぜ勝点が取れてきたかというと、第9節のマリノス戦を除いてアタッキングサードの30mに進入する回数が全て相手を上回ってきたことが一因。もちろんただ敵陣でプレーしたら勝てるというわけではないが、これはチームにとってひとつのバロメーター。我々の攻撃的なマインドがデータにも反映されて、どこと対戦してもそういう部分が出てきたのは非常に良いことだと思う。

 さらにここからペナルティエリアに入っていく、シュートで終わるというような、相手のゴールに近いところでプレーしていくということをどれだけやっていけるか、それが非常に大事になってくると最初のミーティングで話をした。

【次ページ】 欧州・南米の若く才能ある選手に共通する能力とは。

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