熱血指揮官の「湘南、かく戦えり」BACK NUMBER
ついにホームで2連勝の湘南。
曹監督が選手に伝えた3つの「I」。
text by
曹貴裁Cho Kwi-Jae
photograph byShounan Bellmare
posted2016/06/22 12:00
ホーム2連勝でサポーターに笑顔で挨拶する選手たち。ステージ後半になってジリジリと良い結果が出始めている。
実戦でちゃんと生きていた「3つの『I』」。
――積み上げてきたものが磐田戦のゴールにつながった。
「ただ、相手がその分析通りの陣形でくるかどうかは試合にならないとわからない。昨日に関しても点を取ったコーナーキックは、実は狙っていた形からは少しずれた形で、ある意味選手が即時に判断をして取れたものでもあった。さらにもう1、2個用意していたパターンも相手の陣形によって出せなかったところがあった。とは言ってもセットプレーの重要性に変わりはないし、その試合に勝つために、相手がボールを持っている時も自分たちがボールを持っている時もセットプレーの時も、もっと言ったらボールパーソンがボールを持っている時も、自分たちが勝つための確率を高めていくのがトッププロの世界。そういうところで『俺は知らなかった』とか『俺は見ていなかった』と言っていたら最終的に勝点3を落とす世界だと思う。良い部分は継続しながらも、さらに自分たちにスキを作らないように磨いて次の試合に臨んでいきたい」
――3つの「I」はピッチ上で表現されていましたか。
「最後の3分間で、サイドにボールを運んでキープをと考えて少し選手に話をしたけど、選手がそれをロングボールでいくのか細かくパスをつないでいくのかというのをしっかり判断してゲームを締めてくれたと思う。ああいう状況でもずるずる下がってどんどん押し込まれるような状況を自分たちで作らなかったということに関しては、『インディペンデンス』という意味では非常に進歩の見られる試合だった。またスプリントの回数が218回あって、夏だけどしっかり『インテンシティ』を意識してやってくれた。あとはゲームの中でもうちょっと『インテリジェンス』が出るように、アイディアがもっと出るように、駆け引きをして相手に向かっていけるように、そういう働きかけや練習メニューを作って選手の能力をどんどん引き出していきたいと思う」
(構成:日比野恭三)