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インテル、中国資本傘下の衝撃度。
江蘇蘇寧を迂回すれば青天井補強も!

posted2016/06/17 11:00

 
インテル、中国資本傘下の衝撃度。江蘇蘇寧を迂回すれば青天井補強も!<Number Web> photograph by AFLO

インテルでもベテランに数えられる長友佑都。新体制で彼の処遇はどうなるのだろうか。

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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“チャイニーズ・インテル”が爆誕した。

 世間がEUROだコパ・アメリカだと騒ぐ間に、インテルという名の惑星は、物凄いスピードで地殻変動を続けている。

 今月6日、中国・南京に本拠を持つ蘇寧電器グループは、インテルのクラブ株式68.55%を取得、経営権を握ったことを発表した。

 新オーナーのグループ創業者、張近東は会見の席上、トヒル現会長を従えて買収成立の祝杯を挙げると「インテルをより強大なクラブにする。必ずや勝利の栄光へと再び導いてみせる。我が国はインテルにとって第2の故郷となろう」と高らかに宣言した。

 株式取得に費やしたのは2億7000万ユーロ(約320億円)だが、クラブの累積負債補填と今夏にも予定されている増資にかかる分も含めると、今回の買収オペレーションでは総額で7億4800万ユーロ(約890億円)近い大金が動く計算になる。

 当面は留任するトヒル現会長も早晩保有株を手放す見込みで、108年の歴史と輝かしいタイトルの数々を誇るインテルが、100%中国資本下に収まるのは時間の問題だ。

 メインスポンサーを長年務め、イタリア有数の大企業であるタイヤメーカー、ピレリも昨年、中国の国有企業「中国化工集団」傘下に収まっていたが、今回のインテル本体の買収劇は、イタリア・サッカー界へ未曾有のインパクトを与えている。

2010年の3冠以来、中位に沈みCLも失った。

 衝撃の度合いは、“セリエAへの黒船”どころの騒ぎではない。伊紙『レプッブリカ』の喩えを拝借すれば、「恐竜たちを滅ぼした超巨大隕石の来襲」なのだ。

 インテリスタたちの胸中は複雑だろう。

“トリプレーテ(3冠)”の偉業を達成した2010年以降、チームは国内で中位に低迷。CLへの出場も途絶え、監督や選手の顔ぶれもシーズン毎に変わった。

 '13年秋に最大株主となったインドネシアのメディア王、トヒル会長はクラブ組織の抜本的改革を試みてきたが、累積債務とFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)規定への対応に後手を踏み、クラブの借金は増え続けた。

 トヒルは経営者として欧州サッカー界の現実に直面し、わずか2年半で経営権をあっさりと譲り渡した。売却は必然だった。

【次ページ】 今のサッカー界は、大富豪が札束で殴りあう闘技場。

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